資金運用(新NISA継続編)

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新NISAがスタートしてから既に半年近くが経過し、その利用者の中には特に50代、60代のシニア世代も多いことが予想されます。この新NISAを活用し始めた人々の中には、つみたて投資枠を利用し、オールカンやS&P500などのインデックスファンドに積極的に投資している人々がいます。これらの人々は、比較的順調に投資成果を出していると思われます。しかしながら、余裕資金で成長投資枠に投資した中には、その成果がまちまちであると推測されます。

このような状況を鑑みて、現在、投資の成果が期待通りに出ていない人々の中には、投資を継続するか、それとも投資を断念するかという二つの選択肢を迫られていることでしょう。この状況は、彼らにとっての最初の大きな分岐点となっていると言えます。

それゆえ、この記事では、投資を継続できない理由と、逆に積立投信を続けるべきだと考えられる理由について、考察してみたいと思います。これにより、読者の皆様がより明確な投資の道筋を見つけられることを願っています。

趣味など、好きなことを続けるのは比較的簡単です。しかし、投資や資金運用などに関心が薄い場合、継続は難しくなりますね。

継続できない主な理由

シニア世代が新NISAを継続するのが難しい主な理由を下記により説明します。これらの理由には様々な要素が含まれており、それぞれの要素がシニア世代の投資行動に影響を与えています。

投資への不安

シニア世代の中には投資経験がない人も多く、そのため投資に対する不安から行動を躊躇してしまうことがよくあります。投資は必ずしもリスクを伴う行為であり、そのリスクを理解してもなお投資を行うという選択は難しいかもしれません。これは、投資への理解が十分でない、またはリスクを恐れている心理的な要因によるものと考えられます。

医療費などの支出が増加

シニア世代は、特定のライフステージにて医療費等の支出が増加する傾向にあります。これは、健康維持や医療へのニーズが増えるためと考えられます。医療費や介護費の増加により、投資や貯蓄への資金が減少すると、経済的な自由度が制約される可能性があります。人によっては、新NISAの非課税枠の利用が難しくなるかもしれません。

健康への不安

シニア世代の中には、認知症やその他の疾患により投資判断力が低下する方が一定数にいます。このような状況では、新NISAの継続が当然難しいと感じる方もいるでしょう。認知症などの疾患は、思考力や判断力を大幅に低下させるため、複雑な金融商品や制度の理解、適切な投資判断を困難にします。

損失への不安

投資は資産運用の一形態であり、利益を得る可能性がある一方で、損失のリスクも常に存在します。これは金融商品の性質上、避けられない事実です。シニア世代の中には、始めた積立投信を途中で止めてしまうこともあります。その結果、潜在的なリスクを恐れて、資産運用の絶好のチャンスを逃す可能性があります。

日本人は投資に対する不安から、預貯金にシフトする傾向があります。一方で、米国人は投資に積極的で、消費意識も高いです。これらの違いが日米の経済格差を広げる一因となっているかもしれませんね。

継続すべき主な理由

新NISAの積立投資で資金繰りが厳しくなった場合、その中断については慎重に考えるべきです。このブログで何度も説明しているように、投資の基本は「長期・分散・積立」で、できる限り手数料の少ない商品に継続的に投資することが推奨されます。以下では、新NISAの積立投資を続けるべき理由を詳しく解説します。

ドル・コスト平均法の効果が減少する

新NISAの積立投資を途中で中止すると、主な弊害は「ドル・コスト平均法」の効果が低下することです。「ドル・コスト平均法」は一定の間隔で一定の金額を投資信託などに投資する方法を指し、金融商品の価格が低い時には投資を増やし、価格が高い時には投資を減らすことで、全体の平均購入価格を下げ、価格変動リスクを抑制します。

この「ドル・コスト平均法」の効果は、長期間投資を続けるほど顕著になります。したがって、投資を途中で止めてしまうと、積立期間が縮小し、価格変動リスクを抑制する効果が低下します。ですから、何らかの理由で投資の継続が困難になった場合でも、積立金額を減らすなどして投資を続けることをおすすめします。

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複利の効果が減る

資金を投資に回すことが困難になり、新NISAの積立を中断せざるを得ない状況が生じたとしても、その状況を理由に売却することは推奨できません。その理由は、「複利の効果」が減少するからです。複利の効果とは、投資から得られた利益を再投資することで、利益がさらに利益を生み出し、資産が増加する効果のことを指します。この効果は、運用期間が長いほど高まります。

【わかりやすく解説】複利とは?デメリット・計算・効果・投資商品などまとめました!
複利とは、元本についた利息に対して、さらに利息が付くことを言います。複利は投資信託や株などの長期運用で特に効果を発揮します。

新NISAでは、積立を中断したとしても、その資産を非課税のまま維持することができます。そのため、すぐに現金化する必要がない場合は、売却せずに運用を続けることをおすすめします。これにより、資産の増大という目標を長期的な視点で保つことができます。

ライフプランに影響が出る可能性

ライフプランを立てる際、通常は積立金額が基準となりますが、積立金額を減らしたり中断したりすることで、最終的な資産総額が変わる可能性があります。具体的には、目指していた期間で必要な金額が準備できなくなるかもしれません。これは、計画していたライフイベントのタイミングや、それに伴うライフスタイルの変化、さらには必要な収入や支出に直接影響を及ぼす可能性があります。

例えば、積立を停止した場合と積立金額を減らした場合では、得られる総資産に大きな違いが生じることがあります。そのため、どの選択をするかは慎重に判断する必要があります。このような決定が、自身のライフプランや未来の目標に大きな影響を与える可能性があるからです。

一般的に、新NISAでは積立投資を途中で中断することが可能です。ただし、可能な限り積立を続けることが重要で、少ない資金でも投資にまわせるように工夫が必要です。一方、投資資金に余裕ができた場合は、計画的に積立資金を引き出すといった生活を豊かにする工夫も大切ですね。

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最後に

シニア世代が新NISAを継続できない理由は、制度の複雑さや投資経験の不足といった知識や経験の問題、潜在的な損失への恐怖という心理的な要素、そして生活環境の問題など、複数の要素が絡み合っています。

これらの問題を克服するためには、投資について学ぶ意欲と姿勢がシニア世代に求められます。投資の知識を深め、自身に合った方法で資産形成に取り組むことが大切です。さらに、健康維持と健康寿命の延伸にも注力する必要があります。平均寿命が伸び、「人生100年時代」と言われる現在、年金だけでは十分な生活を送ることは難しく、長期的な投資が必要とされています。

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シニアの豊かな生活を保つためには、投資の継続と健康寿命の延伸が求められます。これらは、生活環境の整備、生活習慣の見直し、適切な資産運用の知識の習得など、多面的なアプローチが必要となる課題です。

新NISAはシニア世代に対し有効な資産形成手段となり、適切に理解し活用することで豊かな老後を過ごすことが可能です。自分に適した方法で新NISAを活用することが重要となり、これが豊かな老後生活のための重要な要素となります。

そのためにも、新NISAを活用した投資についての理解を深め、自分のライフスタイルに合わせた投資法を見つけることが大切ですね。

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