資金運用(コア・サテライト戦略編)

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コア・サテライト戦略とは、投資ポートフォリオを「コア」部分と「サテライト」部分に分け、それぞれ比較的リスクが低く安定したリターンと、高リスク・高リターンを目指す投資戦略を指します。通常、コア部分がポートフォリオの安定した基盤を形成し、サテライト部分が追加のリターンを目指します。

今回の内容は、シニア世代の投資初心者にとって少々理解しにくいかもしれません。しかし、投資経験を積むことでこの戦略の重要性が増します。しっかり理解することが大切ですね。なお、ここで言う戦略は、あくまでも必要な生活費を除いた余剰資金に対するものです。

ただし、高リスクのアセットクラスをサテライトとして保有する際は注意が必要です。それらをコア部分に位置づけると、ポートフォリオ全体のリスクが増加し、大きな損失を招く可能性があります。

特に、シニア世代が老後の資産形成を目指す場合、一時的な高リターンよりも、長期的に安定したリターンを積み重ねることが重要です。そのため、高リスク・高リターンのサテライト部分の比重を適切に管理し、リスクを過度に取ることなく、また逆に過度に減らすことなく、バランスを保つことが必要です。シニア世代でも、年齢によってはコア・サテライト戦略が異なることを理解することが重要です。

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コア・サテライト戦略を上手く利用することで、ポートフォリオ全体のリスクとリターンのバランスを適切に管理し、効果的な投資を実現することが重要です。

コア・サテライト戦略の理想的な配分とは

一般的に、コア・サテライト戦略を用いた投資ポートフォリオ作成では、資産の70%〜90%をコアに、残りの10%〜30%をサテライトに配分することが理想的とされています。これは、大部分の投資を安定したコア部分に集中させ、一方で高リターンを期待するサテライト部分で全体のリスクとリターンのバランスを取るためです。また、年齢が上がるにつれてリスクを抑えるために、コアの割合が増える傾向があります。

ただし、コアとサテライトの配分は、投資家の年齢だけでなく、投資経験、資産運用目的、リスク許容度などの個々の状況により変更すべきです。例えば、投資初心者のシニア世代にとっては、「コアだけでリスクを抑えた運用を行う」判断も有効です。これは、投資の理解を深め、リスク管理の経験を積む観点から有益な選択です。

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また、コア・サテライトに位置付けるアセットクラスも、取りたいリスクの大きさによって異なるべきです。例えば、金融資産の取り崩し期にある高齢者には、リスクが低いアセットクラス、例えば日本国債がコアに適していると言えます。これは、バランスファンドや世界の株式に投資するインデックスファンドより、リスクが低く安定したリターンを提供する可能性があるからです。

現在の金利上昇傾向を考慮に入れ、一時的に短期の定期預金にした上で、国債の金利動向を見極め、次第に国債へ移行するという方法も良いと思いますね。

コア・サテライト戦略のポートフォリオ

コア・サテライト戦略には、一概に正解と呼べるものはありません。投資目的、リスク許容度、投資期間により、適切な戦略は人それぞれ異なります。しかし、投資家が自分のリスク許容度に基づいて配分割合やアセットクラスを選ぶための参考として、3つの具体的なパターンを紹介します。これらのパターンは一例であり、投資家自身の状況に応じて調整することが重要です。

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コア(保守的) サテライト(積極的)
安全性重視 日本国債、公債など債券中心 株式や米国株式を中心とした積立インデックスファンドなど
バランス型 債権なども含むバランス型ファンド インデックスファンド、株式、REIT、金など
積極性重視 世界株式、全米株式等のインデックスファンド アクティブファンド、株式、REIT、FX、仮想通貨など
配分割合 70~90% 10~30%

安全性重視の戦略

安全性重視の投資戦略は、全体の投資戦略パターンの中で最もリスクが低いものを指します。この戦略では、ローリスク・ローリターンとされる資産、例えば日本国債などの安定した資産をポートフォリオの主要部分、すなわち”コア”として位置づけます。これらの資産は市場の変動に対する耐性が高く、リスクの低い運用を実現します。

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ただし、この戦略ではコアだけでなく”サテライト”と呼ばれる部分も重要な役割を果たします。サテライト部分では、債券と比較して高いリターンが期待できるアセットクラスに投資します。そのため、この部分には新NISAを活用した株式や、日本株や米国株式を中心とした積立インデックファンドなどが含まれます。これらの投資によって、ポートフォリオ全体の期待リターンを高めることが可能です。もちろん、全世界株式(オルカン)S&P500なども含まれます。

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この保守的な戦略の特徴は、コアを低リスク資産としているため、全体のポートフォリオが大きな含み損を抱えるリスクが相対的に少ないことです。この戦略は、シニア世代の定年退職後の状況で、リスクを抑えつつも一定のリターンを求める人々に非常に適しています。

バランス型の戦略

この戦略は適度なリスクを取るものです。ポートフォリオの基盤であるコア部分では、株式、債券、不動産投資信託(REIT)などの比較的安全な資産クラスを含むバランスファンドに資金を分散投資し、リスクを抑えることに重点を置きます。

一方、サテライト部分では、オルカンやアメリカ株式を中心としたインデックファンドに加え、個別株式、REAT、金などを運用し、より高いリターンを目指します。自身で魅力的なインデックスファンドや個別銘柄を探すことは、資産運用の一部として興味深く、エキサイティングな側面をもたらします。

ただし、高リスクな投資をコア部分に組み込むと、ポートフォリオ全体が不安定になる可能性が高まることを忘れてはなりません。したがって、これらのリスク投資はサテライトとして位置付け、ポートフォリオ全体の一定の割合(例えば全体の30%程度)に制限することで、リスクを適切に管理するリバランスが重要です。

積極性重視の戦略

積極的なリターンを追求する投資家にとって、積極型の投資戦略は理想的な選択肢かもしれません。この戦略では、主要なアセットクラスとして、オルカンなどのインデックスファンドを含む、米国を中心とした世界各地の多様な株式への分散投資がコアな部分を占めます。これらのファンドは、特定の地域や銘柄に焦点を当てた投資ファンドや個別の株式よりもリスクを効果的に分散できます。

ただし、これらのファンドはバランスファンドに比べてリスクが高い傾向にあり、その結果、ファンドを主要な投資とすると、ポートフォリオ全体の価値変動が大きくなる可能性があります。

投資初心者やシニア世代の方にとっては、アクティブファンド、FX、仮想通貨などは値動きが激しく、手数料も高いため、投資経験が豊富で実績のある方以外は、これらへの投資を避ける方が賢明ですね。

したがって、これらのファンドは比較的リスクが高いアセットクラスとなります。大きな損失を被る可能性があるため、投資家は急なライフイベントや予期せぬ出費に対処するための十分資金を確保することが重要です。これにより、投資家はリスクを管理しつつ、高いリターンを目指すことができます。

最後に

現在の低金利環境では、預貯金から得られる利息(リターン)は限定的です。これが預金から投資へのシフトを促しています。さらに、「人生100年時代」の到来がこの傾向を強化しています。しかし、資産運用の目的は利用可能な資金を確保することであり、そのためには投資リスクの適切な管理が重要です。

貯蓄に時間と労力をかけても、必要なときに資金が大幅に減少していると、資産運用の意義が失われます。だからこそ、運用期間、リスク、投資戦略を適切に設定し、リターンとリスクをバランス良く管理することが求められます。

年齢や資産運用の目的は、特に「コア・サテライト戦略」の設定に大きな影響を与えます。この戦略は投資ポートフォリオを「コア」部分と「サテライト」部分に分け、リスクとリターンを適切に管理することを目指します。個々のライフスタイルや投資目的によって、この戦略の適用方法は大きく変わるでしょう。

したがって、自分のライフスタイルと投資目的をよく考慮し、それに適した「コア・サテライト戦略」を設定することが重要です。ぜひ、自分に合った戦略を考え、それを実践してみてください。

ここで紹介したのは一つの投資戦略です。シニア世代の中にはリスクをあまり取れない方も多いと思います。そのため、安定性を最優先に、余裕資金を使ってこの考え方を参考にし、自分が納得できる方法で投資するのはいかがでしょうか。

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