資金運用(株主優待編)

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株主優待制度は、日本株の独自制度で初心者にも理解しやすく、初めて投資業界に参入する方にとって非常に魅力的な選択肢です。この制度は、企業が株主に対して特典を提供し、投資を促す役割を果たしています。しかし、最近では一部の日本企業が株主優待を停止し、代わりに配当を増やす傾向が見られます。これは、海外投資家や機関投資家の増加を考慮し、欧米市場の企業が利益をより直接的に株主に還元する配当重視の姿勢を示しているためと思われます。

それでも、日本市場には、この優待制度を気に入り、それを基に投資を行う個人投資家が少なくありません。彼らは、この制度が提供する特典を活用し、その結果として投資成果と自己満足度を高めることを目指しています。

今回は、前回の投資初心者編でも紹介した株主優待制度について、さらに詳しく掘り下げてみたいと考えています。具体的な活用事例を示しながら、この制度がどのように投資家たちの投資スタイルや戦略に影響を与えているのか、またどのように最大限に活用することができるのかについて考察してみたいと思います。

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株主優待制度の始まり

歴史的には、最も古い株主優待は、1899年(明治32年)に東武鉄道が提供した「東武鉄道全線乗車」の優待券とされています。しかし、実際には、300株以上の株主に線路内無賃乗車券を提供した山陽鉄道が、株主優待の最初の事例と考えられています。株主優待は鉄道業から始まり、徐々に他の産業にも広がりましたが、戦前は導入した産業が限られていました。戦後は運輸、興行、観光分野の企業が株主優待を実施し、高度経済成長期に入ると、自社製品を提供する目的で製造業も株主優待を行うようになりました。

また、欧米では主に投資信託経由で株券に投資するのに対し、かつて日本では個人が直接株券を持つ傾向が強いことも指摘されています。ただし、2009年からは全ての上場企業の株券が電子化され、証券保管振替機構が一連の株券の記帳の流れを行うことになりました。なお、日本の国内企業から世界の投資家や世界の日本人投資家への株主優待の発送は行われていません。

私が株を始めた当初、金庫に株券を保管していた時期のことを今でも鮮明に記憶しています。株主としての実感が得られましたね。

証券保管振替機構
株式会社 証券保管振替機構のホームページです。各制度の仕組み等をご紹介しております。

株主優待制度の特徴

日本の企業が株主優待を多く実施する理由は、ふるさと納税の返礼品や中元・歳暮などの贈答文化が普及の基盤となっていると指摘されています。この制度の特徴は、配当金に加えて優待品を受け取ることで、以下のような投資の楽しみや期待感が高まる点にあります。

企業とのつながりを感じる

株主優待を通じて、企業の製品やサービスを直接体験できることにより、企業とのつながりを強く感じられます。これは、企業への理解を深め、当企業の株の長期保有をより確かなものにするのに役立ちます。

ある企業では、非売品の自社製品の精巧なプラモデルを毎年送ってきてくれます。とても、その企業に愛着を感じますね。

生活が豊かになる

日用品や食料品など、日常生活に役立つ優待品を受け取ることができます。これは、年金生活が中心のシニア世代にとっては、生活の質向上だけでなく、経済的な負担を軽減するのにも役立つかもしれません。

長期的な投資を促進する

長期保有により、より多くの優待を受け取ることができます。これは、短期的な利益追求よりも長期的な視点で投資を考えることを促し、安定した投資戦略の形成に寄与します。結果的には、より高いリターンを実現する可能性があります。

株主優待は、自分の好きな優待を受け取れるわけですから、自然と長期保有を前提とした投資になりますね。

株主優待制度の注意点

株主優待株の購入には注意が必要です。まず、株主優待の内容は必ずしも永続的ではありません。企業の業績や経営方針の変更により、株主優待の内容や提供自体が変更される可能性があります。さらに、企業の業績が悪化した場合、株価が下落し、資本損失を被るリスクもあります。

したがって、投資する企業の業績や優待内容をしっかり理解し、自身のリスク許容度に合わせた投資判断が必要です。以下の点にも注意が必要です。

権利付最終日までに株を保有する

株主優待を受けるには、権利付最終日の取引終了時に必要な株数を保有していることが必要です。権利付最終日がいつか、また対象の株式を保有しているかを確認しましょう。また、必要保有年数によっては、株主優待がより良いものになることもあります。

流動性の高い銘柄を選ぶ

流動性の高い銘柄を選ぶことは非常に重要です。流動性の低い銘柄は売買が難しくなるだけでなく、価格変動リスクが大きくなり、潜在的な投資リスクが増えます。そのため、常に流動性の高い銘柄を選ぶべきです。

余裕資金で投資する

投資は自己責任であり、慎重な態度が求められます。シニア世代では、特に生活に支障をきたさない範囲で資金を投資することが重要です。つまり、投資によって生活が困窮するような状況を作らないようにしましょう。

情報収集を怠らない

投資成功の鍵は情報収集にあります。企業の財務状況や株価情報など、最新情報を常に収集し、情報に基づいた賢明な投資決定をすることが重要です。情報収集を怠ると、投資のリスクが増え、利益を最大化するチャンスを逃す可能性があります。

近年、配当重視の影響で株主優待をやめる企業が増えてきたのは残念ですが、海外投資家がこれだけ増えているのであれば、仕方がないかもしれませんね。

具体的な株主優待

株主優待制度を利用する際には、自分が好きな企業やよく知っている企業を選ぶという考え方が一般的であると思われます。株主優待には様々な種類があり、それぞれの企業から独自のものが提供されています。初心者の方は、まず自分が欲しいと思う株主優待を選定してみると良いでしょう。

  • 食料品・飲料:日用品や食料品は生活にとって必要なもので、これらの株主優待は実用的です。(例)アサヒ、キリン、カゴメ、ニッスイなど
  • 割引券:外食や買い物の際にお得になる割引券は、節約を考える人に魅力的です。(例)ジョイフル本田、東京競馬場、商船三井、郵船、JALなど
  • ギフト:自分へのご褒美や大切な人へのプレゼントとして最適な株主優待です。(例)ヒューリック、オリックスなど
  • 商品:自社製品の割引クーポン、無料サンプル、限定商品を提供する企業もあり、自社製品に興味がある人には特に有益です。(例)大和ハウス工業、タカショウ、コマツなど
  • 食事券:企業が運営するレストランやカフェで使用できる食事券は、食事を楽しむ機会を提供します。(例)マクドナルド、松屋フーズ、吉野家など多数
  • イベント招待:新商品の発表会やエンターテイメント施設への招待は、特別な体験を提供する株主優待です。(例)オリエンタルランド、ホンダなど

私は以前から株主優待が好きで、それを優先して株を購入することもありました。子供が小学生の時に家族でディズニーランドに行くために、無料で入園できるオリエンタルランドの株を購入しました。当時はそれほど高くなかった株価が、現在はかなり値上がりしており、今では高すぎてとても購入できませんね。

おわりに

シニア世代にとって株主優待株の購入は、生活をより豊かにするための魅力的な投資手段となり得ます。これは、株主優待という形で得られる特典が、生活を楽しく彩り、また経済的な利益ももたらすからです。しかし、株式投資には株価の変動というリスクも伴います。そのため、投資判断を行う際には、対象となる企業の業績や財務状況をきちんと理解し、自身が許容できるリスクの範囲を把握することが非常に重要となります。株主優待を楽しみつつ、賢明な投資判断を行うことで、充実したシニアライフを楽しむことができるでしょう。

配当金や株主優待は、株価の変動に比べて影響を受けにくいという特性があります。この特性を活かすことで、シニア世代は高配当株や株主優待株への投資を通じて、老後の生活をより豊かで安定したものにすることが可能です。株式投資を通じて得られる配当金や株主優待は、老後の生活を支える一つの手段となり得ます。

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一方で、株主優待は日本独自の制度で、近年ではその数が徐々に減少しているというのも事実です。その一方で、日本の企業も米国企業のように配当利回りを充実させる方向に舵を取っています。このため、株主優待を重視する投資家の中には、少々寂しく感じる方もいるかもしれません。しかし、企業の配当政策にも注目しながら、投資戦略を練ることで、株式投資を通じて豊かな生活を享受することが可能です。

【 参考情報

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