資金運用(ハルカ運用編)

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これまで、私はシニア世代の資金運用について、自身の経験を踏まえて様々な視点から解説してきました。私の投資歴は40年以上にわたりますが、バブル全盛期以降、運用成績が振るわない長い期間があり、日本経済とともに20年近く低迷していました。

その後、アベノミックスによる株価の回復とともに、運用成績も上昇し、現在に至っています。この間、英国のEU離脱や新型コロナ、ロシアとウクライナの戦争などにより一時的に株価は下がりましたが、米国経済の強さと日本企業の業績回復により、2024年1月には日本がバブル期以来の堅調さを見せました。また、アメリカ経済もインフレが一段落し、生成AIや半導体などが牽引し、変わらない強さを発揮しています。

このような状況下で、新NISAも1月から始まり、日本市場は絶好のスタートを切りました。今回は、前年の運用成績を踏まえながら、2024年の私の資金運用についてお話ししたいと思います。

安全資産について

安全資産は高いリターンを期待できないものの、安定した収入や元本保護を提供します。したがって、リスクを抑えたいと考えている方や、「守る力・使う力」を重視するシルバー世代にとって、安全資産への移行は魅力的な選択肢となります。私自身は次のような運用を行っています。

資金運用(安全資産編)
シニア世代の資金運用について、これまでさまざまな方法を説明してきました。しかし、日本人の金融資産の約50%が預貯金で占められている現実があります。これは、投資と言えば、多くの日本人が高リスクなイメージを持っていることを示しているかもしれませ...

定期預金

私は株式などから得られる配当やキャピタルゲインの一部を、オリックス銀行の定期預金で運用しています。この銀行の金利は、ネット銀行の中でもトップクラスです。預入期間は2週間から1年、2年、3年、5年、7年と細かく設定されており、自分の状況に合わせて選べます。また、一定額以上の金融商品を持つとブリリアント会員になれ、さまざまなサービスを利用できます。さらに、私はオリックスの株主で、企業の社会貢献活動やESGへの取り組みを評価しています。

2023年から日本でもインフレ圧力が増し、大手金融機関が金利を見直しました。2024年も緩やかなインフレが続き、賃金の上昇も続けば、日銀の金融政策も徐々に見直されると予想されます。したがって、定期預金の金利が見直され、好転する可能性が高まるという状況では、1年から3年程度の預入期間に設定して様子を見るのも一つの方法かもしれません。

定期預金の満期も控えており、その一部を現金や国債などの購入に充てていきたいと思っています。

国 債

私が国債の購入を始めたのは、バブル崩壊後の2000年頃です。日本経済は低迷し、デフレ状態が続いていました。その結果、株価や預金金利はほとんど上昇せず、この状況は何年も続きました。このような状況の中で、最も安全な資産とされる国債を購入し、将来のために準備していました。

その後、アベノミクス相場のおかげで、国債を売却して株を購入し、大きな利益を得ることができました。これには決断力も必要でしたが、十分な余裕資金があったことと、幸運が重なって大きな成果を得ることができたと感じています。国債を売却した後、追加購入はせず、定期預金、社債、投資信託へ資金を振り分けて運用していました。

現在は国債を購入していませんが、今後は資金運用の収益金や定期預金の一部を変動金利の個人向け10年国債の購入を考えていますね。

社 債

会社が発行する社債は、国債や地方債などの公債に比べて劣るかもしれませんが、利息を満期までに支払い、満期時に元本を返す有価証券として機能します。これは、会社が健全な財務状況を維持し、倒産を回避できる限り、元本と利息の支払いが保証されるという原則に基づいています。そのため、投資を行う際には、高い利率を提供する発行者よりも、元本と利息を確実に支払うと判断できる発行者を優先することが重要です。

現在、私は2つの有名な企業の社債に投資しています。これらの企業は安定した財務状況と高い信用力を持ち、投資家にとって信頼できる社債発行者です。また、これらの企業は事業戦略や成長見通しを明確に示しており、その結果、安定した利息の支払いが期待できます。

今後も、投資対象として信頼できる企業が見つかれば、社債を購入する予定です。その際には、発行体の信用力と元本及び利息の返済能力を重視し、適切な投資判断を行います。

個別株について

私の個別株投資は現在、基本的に中長期投資になっています。シニア世代の資金運用では、余裕資金を使ってリスクをできるだけ抑えた投資が求められます。個別株への投資では、次のような投資を実際に行っています。

資金運用(個別株投資編)
日本株投資は、長期的に見れば安定的なリターンを期待できる方法の一つですが、投資のリスクもあります。日本の株式市場は、リーマンショックやコロナなどで時に大きな変動を見せることがあります。また、企業の状況によっても株価が大きく上下することがある...
資産運用(IR情報編)
今回は、資金運用における企業業績の分析手法を考察します。企業業績の評価には一般的に株価の動向が重要な指標となります。業績が好調な時は株価もそれに伴い上昇します。しかし、リーマンショックやコロナ、戦争などの世界情勢や、各国の金融・経済政策によ...

高配当、株主優待

シニア世代では、高齢になるほど多くの方が年金を中心とした収入に頼る傾向があります。今日では不動産投資やブログ、YouTubeなどで副収入を得ることも可能ですが、長期的に安定した副収入を得るためには、特に高配当株や株主優待がお勧めです。

これらは特別な才能や持続的な努力を必要とせず、比較的安定した収入を得ることが可能です。私自身も高配当株を所有しているため、かなり安定した収入を確保しています。

資金運用(高配当株・株主優待編)
今までに、シニア世代の資金運用については、株式投資などの様々な手段や方法についてお話してきました。今回は、特にシニア世代にとって魅力的な選択肢のひとつである高配当株と株主優待投資について詳しく説明します。 高配当株とは、企業から配当金として...

ただし、高配当だけでなく、減配のリスクなども考慮するために、企業の業績を長期にわたって分析することが重要です。

ESG、SDGs投資

近年、環境、社会、ガバナンス(ESG)を考慮した投資や、「持続可能な開発目標(SDGs)」に基づく社会や環境の問題解決を目指す企業への投資が増えています。このトレンドは、企業が持続可能性や社会的な影響を重視することの重要性を示しています。

資産運用(SDGs投資編)
「SDGs投資」は、「持続可能な開発目標(SDGs)」に基づき、社会や環境の問題解決を目指す投資です。これは、資産増加だけでなく、社会や環境への貢献も重視する方法です。 長い人生を経験したシニアの方々は、社会や環境の変化を目の当たりにし、次...

私自身も、企業の理念やビジョン等を重視した「ESG、SDGs投資」を積極的に行っています。これは、私が持続可能な開発に対する深い関心を持っているためで、企業が社会的な価値を創出することを支援することを重視しています。

私の最終目標は、社会投資家になることです。社会投資家とは、投資先の社会的影響を重視し、金銭的リターンだけでなく社会への貢献も重要視する人のことを指します。私は環境、教育、医療、貧困、人権などの社会問題に取り組む企業や団体をより強力に支援したいと考えています。私の投資活動が、これらの目標達成の一助となることを願っています。

IPO、エンジェル投資

私がIPO投資(新規上場企業)を行う際の基準は、企業の理念やビジョンに深く共感できるかどうかです。その企業が目指す目標や理想に、心から応援したいと感じた場合のみ、購入を考えます。したがって、私のIPO投資は企業への応援として行われ、大きなリターンを期待した投資ではありません。

また、エンジェル投資にも興味があります。これは、スタートアップ企業に直接資金を提供する投資のことを指します。高リスク、高リターンの特性を持つIPO投資と同様に、特に成長期の初期段階の企業への投資が主となります。エンジェル投資を行う際の私の基準は、その企業が社会貢献が期待できる事業を展開しているかどうかです。

資金運用(エンジェル投資編)
私の資産運用法は、今までにも紹介したように定期預金や国債、社債などの比較的安全な資産を除いて、日本の高配当株や米国を中心としたインデックス投資、そして企業の社会的責任や貢献を重視したESG投資などを主に行っています。 今後は、地域社会により...

現在、IPO投資は年に数社、エンジェル投資は数年前から始めています。これらの企業が大きく成長し、社会に大きな影響を与えることを心から願っています。これらの投資を通じて、私が最も大切にしているのは、企業の成長と社会への貢献です。

ただし、この投資はシニア世代には特に推奨しません。理由は、IPO投資が新規上場企業への投資であり、株価の変動が大きいからです。

投資信託について

私が資金運用を始めた初期は、証券会社が推奨する投資信託を購入していました。しかし、手数料が高額だったため、すぐに撤退しました。その後、ネット証券を利用し始めてしばらくした後で、人気の高いインデックス投資を開始しました。

インデックス投資

私の投資信託の運用戦略は、初期の反省から手数料の安いインデックス投資に主眼を置いてきました。その中心となるのは、一般的なアメリカの大型株500社を対象としたS&P500でした。その後、時間と共に私の投資範囲は、アメリカ全体の株式市場を対象とする全米株式へと広がり、さらには全世界の株式市場を対象とするオールカントリーへと広げていきました。因みに、私の利用しているネット証券は、SBI証券楽天証券です。

現在、私の投資信託は主にオールカントリーへの移行を進めています。その結果、多様な地域と業種の株式に投資することでリスク分散を図りつつ、取り崩し資産の活用も含めて長期的な資産運用を進めています。

資金運用(年代別編)
今回は、私の経験も踏まえてシニア世代の年代別の資金運用について考察してみたいと思います。 シニア世代では退職されている方も多いため、資金運用は安全性と確実性が最優先事項となります。しかし、現代では「人生100年時代」と言われ、豊かに暮らすた...

ロボアドバイザー投資

私は現在、WealthNaviを利用しています。私が始めた2019年12月当時、ロボアドバイザーの種類は少なく、少し不安もありました。しかし、創業者のミッションや考え方に共感し、幅広い分散投資が行えるこの会社を選びました。初めて購入したのはスポット購入で、新型コロナが流行し始めて価格が大きく下がり、少し心配しました。しかし、その後は順調に回復し、現在も安定した成績を維持しています。

資金運用(ロボアドバイザー編)
ロボアドバイザーは、人工知能やアルゴリズムを活用して、投資家の運用目標やリスク許容度に合わせたポートフォリオを自動的に構築するサービスです。このサービスは、近年ますます人気が高まっており、専門会社に加え、多くの金融機関や証券会社が提供してい...

現在、新たな購入は行っていません。今後、この資金をどのように活用するかを検討しています。一定の割合で取り崩しながら、必要に応じてスポット的にも取り崩す予定です。

最初は、AIによるロボアドバイザー投資に若干の不安がありましたが、想像以上に高利回りで運用できていますね。

最後に

今回、私が行っている投資先や投資方針について詳しく紹介しました。私自身、長い間投資活動を行ってきて、よい時期もありましたし、それほどうまくいかなかった時期も経験しました。投資というのは、一人ひとりの方法が千差万別で、どの方法が絶対に正しいとは一概に言えません。ただ、自分自身が納得して、自分の性格やライフスタイルに合った投資方法を見つけることが大切だと思います。

投資の成果については、優劣がつきやすく、将来的に運用資産を多く残した人が評価されがちです。しかし、私は資産をどのように使い、それを有効活用することが、特にシニア世代にとって最も重要であると考えています。たとえ多額の資産を構築したとしても、それを生きているうちに適切に活用しなければ、その存在はあまり意味をなさないと思います。

シニア世代に求められていることは、自身の健康管理をしっかりと行い、健康寿命を延ばしながら、投資活動で得られた資産を自分が納得する方法で積極的に活用することだと思います。これが、このブログでも度々強調しているメッセージです。

シニアの皆様には、自分の趣味や社会貢献活動など、様々な方法で投資資産を有効活用し、残された人生を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。そのための投資というツールを最大限に活用し、より充実した生活を送ることを願っています。

シニア世代の資金運用
はじめに 「シニア」とは、このブログでは50歳以上の方を指します。この年代になると、子供の教育費や住宅ローンの支払いが終わり、老後の生活資金を考える必要が出てきます。そこで、この記事ではシニア向けの資金運用について考えてみたいと思います。 ...

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