今までに、シニア世代の資金運用については、株式投資などの様々な手段や方法についてお話してきました。今回は、特にシニア世代にとって魅力的な選択肢のひとつである高配当株と株主優待投資について詳しく説明します。
高配当株とは、企業から配当金として支払われる利益の一部を受け取ることができる株式のことです。また、株主優待とは、企業が株主に対して自社製品やサービスなどを提供する制度です。
このように、高配当株と株主優待投資は、シニア世代にとっても魅力的な選択肢であり、資産運用の手段として積極的な活用が望まれます。これらの投資方法を理解し、適切に活用することで、シニア世代はより豊かに暮らすことができるでしょう。
なお、我が家では、私が高配当株を、妻が株主優待を優先して購入しています。
高配当株について
高配当株とは、株式の配当利回りが高い銘柄のことを指します。配当利回りは、株価に対してどれだけの配当金を受け取ることができるかを示す指標です。高配当株は、配当収入による安定した収入を得ることができるため、シニア世代の退職後の副収入や長期的な資産形成に向いています。
シニア世代は、インフレ傾向にある現代社会においては、老後の生活費を準備するために、収入を増やすことが重要です。高配当株は、老後の年金とともに、もう一つの重要な副収入源になります。また、高配当株は、値上がり益を狙うこともできます。配当が安定している銘柄は、株価も安定している傾向にあります。そのため、配当金を得ながら、値上がり益も狙うことができます。
高配当株の購入にあたっての選定ポイントは、以下のとおりです。
《 選定ポイント 》
- 安定した利益を上げている企業: 高配当を維持するためには、企業が安定して利益を上げていることが重要です。過去の10年程度の財務データや業績報告書などを調べ、安定した利益を上げている企業を選びましょう。経営状況が悪い企業は、配当金が減ったり、配当がなくなったりする可能性があります。
- 配当性向等が高い企業: 配当性向は、企業の利益の一部を配当として支払う割合を示します。配当性向が高い企業は、株主に対して多くの配当を支払う傾向があります。配当性向の高い企業を選ぶことで、より多くの配当が期待できます。また、配当利回りとは、1株あたりの配当額を株価で割った割合で、配当利回りが高いほど、配当金の割合が高くなります。配当利回りは、できれば4%以上を目指しましょう。
配当性向とは「1株あたり配当金÷1株あたり当期純利益」の比率で利益1円あたり、いくらの配当金が支払われているか、知ることができます。配当利回りは1株あたり「配当金÷株価」で求められ、1株あたりいくらの配当金を支払っているか見ることができます。
- 配当・株価の安定した企業: 高配当株を選ぶ際には、配当の安定性も重要な要素です。配当が不安定な銘柄は、配当金の額が減ったり、配当がなくなったりする可能性があります。また、株価の安定性が高い銘柄を選ぶことも重要です。株価が不安定な銘柄は、値下がりリスクが高くなります。すなわち、長年にわたり売上や営業利益などの企業業績が右肩上がりの企業を選ぶことが大切となります。
これらのポイントに注意しながら、高配当株を選ぶことで、退職後の生活資金の確保や長期的な資産形成に役立つことが期待できます。
「特定口座」の場合には、20.315%(2023年度)の税金がかかりますが、NISA枠の活用をすると、配当金も非課税となります。2024年から新NISAが始まり、NISA枠が広がります。すごく期待しちゃいますね。
株主優待投資について
株主優待投資とは、企業が株主に対して特典や割引を提供する制度のことです。この制度は、株主に対する感謝の意を示すだけでなく、企業の業績や経営方針に応じて様々な内容が用意されています。株主優待は、現金を使わずに商品やサービスを手に入れることができる利点があります。また、株主優待を活用することで、生活費を節約することも可能です。
株主優待の購入にあたってのメリットは、以下のとおりです。
《株主優待のメリット》
- 株主優待は企業によって異なり、飲食店や旅行会社などでは割引券や無料券などが提供されることがあります。株主優待を受けることで、生活に役立つ商品やサービスを手に入れることができます。
- 株主優待を受けることで、投資家は企業のサービスなどの特典や割引を活用することができます。これにより、投資家はより経済的な利益を享受するだけでなく、投資先企業の工場見学を行うなど、身をもってその企業の状況把握をすることができます。
- 株主優待投資は、株主優待の内容や提供される特典に注目しながら、自身の投資目的や提供サービスなどに合った企業を選ぶことができます。また、株主配当も受けることになるので、企業選定には高配当株の視点も必要不可欠となります。
配当金や株主優待は、株価の変動にも影響されにくい傾向にあります。こうした傾向を踏まえ、シルバー世代は、高配当株や株主優待の投資をしっかりと実践することで、老後の生活をより豊かなものにすることができるでしょう。
株主優待は日本独自の制度で、次第に減少傾向にあります。その変わりとして、日本企業も米国企業のように配当利回りなどを充実させる傾向にあります。株主優待を優先する人は、ちょっぴり淋しいかもしれませんね。
まとめ
シニア世代の資金運用では、高配当株と株主優待投資が魅力的な選択肢です。高配当株は安定した収入を提供し、株主優待投資では企業の特典や割引を受けることができます。投資を行う際には、企業の業績や信頼性を考慮し、自身の投資目的に合った銘柄を選ぶことが重要です。また、リスクもあるため、情報収集と慎重な判断が必要です。
シニア世代の投資においては、高配当株や株主優待を活用することで、老後の生活を豊かにすることができます。高配当株や株主優待は、現金や商品を得ることができるだけでなく、非課税や税制優遇の対象にもなる場合があります。ただし、注意点もあります。配当利回りが高すぎる場合は、企業の財務状況が悪化している可能性がありますし、株主優待は企業の裁量によって変更される場合があります。したがって、投資を行う際には、企業の業績や成長性なども考慮する必要があります。
シニア世代の投資も自己判断や自己責任が不可欠ですが、情報収集や慎重な判断を行うことで、より確実な資金運用を行うことができます。
最後に、私が参考している分かり易いサイトを紹介しますね。もっと良いサイトがあるかもしれないので、あくまでも参考程度として捉えてください。
【 参考資料 】
プライム市場 予想配当予利回り 日本経済新聞
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