~秋の絶景を求めて~
これまで私たちは、関東地方の魅力的な紅葉スポットを数多く紹介してきました。横浜の三渓園での紅葉狩りを一区切りとしましたが、日本にはまだ素晴らしい紅葉の名所が数多く残されています。特に関東以外の地域には、未紹介の見どころが豊富にあります。
今回は、久しぶりに電車とバスを利用したシニア旅行として、東海地方が誇る紅葉の名所を巡ることにしました。メインの目的地である香嵐渓をはじめ、秋に咲く小原四季桜と紅葉、懐かしい大井川鉄道の蒸気機関車からの車窓の紅葉狩り、そして秘境・寸又峡の「夢のつり橋」など、見どころ満載の旅程をご紹介します。
最初にご紹介するのは、11月25日に訪れた香嵐渓の紅葉と小原の四季桜です。愛知県豊田市に位置する香嵐渓は、日本有数の紅葉の名所として知られ、約4000本の紅葉樹が巴川の清流に沿って色鮮やかな景観を織りなしています。川面に映る紅葉と実際の紅葉が作り出す風景は、まさに絶景の一言がふさわしい美しさです。同じ豊田市にある小原四季桜は、秋に桜と紅葉が同時に楽しめることから、近年人気を集めています。
約40年前に一度香嵐渓を訪れました。その時に見た真っ赤なモミジの紅葉が忘れられず、今回再訪することにしました。
シニア世代の紅葉愛好家の皆様、香嵐渓のモミジの赤は心に深く刻まれる感動的な美しさです。ぜひ一度足をお運びになってはいかがでしょうか。
香嵐渓の深紅に染まる紅葉の絶景
香嵐渓の紅葉は、通常11月中旬から下旬が見頃です。今年は異常な暑さの影響で初期の紅葉は控えめでしたが、11月下旬から12月上旬にかけては例年通りの鮮やかな紅葉が期待されています。気温の変化とともに、葉は徐々に深い赤色へと染まり、訪れる人々を魅了することでしょう。
香嵐渓の紅葉が織りなす魅力
- 歴史が育んだ紅葉: およそ400年の歴史を持つ紅葉の木々は、先人たちの丹精により、今日の息をのむような美しい景観を創り上げています。まさに世代を超えて受け継がれてきた自然の芸術です。
- 巴川が映す紅葉の世界: 清らかな巴川の水面に映る紅葉は、水彩画のような優美さを醸し出します。風に揺れる水面と紅葉が織りなす景色は、見る人の心を魅了させるでしょう。
- 夜の幻想的な光景: 日没後のライトアップは、昼間とは異なる表情の紅葉を見せてくれます。柔らかな光に照らされた紅葉は、神秘的な別世界を作り出します。
- 豊かな食文化との出会い: 紅葉狩りの合間には、伝統的な五平餅や地元の新鮮な食材を活かした季節料理など、味わい深いメニューを楽しめます。各店舗は地域の食文化を大切に守り、訪れる人々をもてなしています。
今年の紅葉は例年に比べて色づきが遅れていて、モミジの赤の鮮やかさがやや物足りませんでしたね。昨年は近年になく素晴らしい紅葉だったそうです。
紅葉の見どころスポット
- 風情ある待月橋: 巴川に架かる朱色の橋は、紅葉シーズンの人気の撮影スポットです。橋の朱色と紅葉の赤が織りなす風景は、多くのカメラマンを魅了します。
- 眺望抜群の飯盛山: 香嵐渓を一望できる絶景ポイントです。展望台からは、紅葉に彩られた渓谷の雄大な眺めが広がり、錦を敷き詰めたような壮観な景色を楽しめます。期間限定のライトアップも楽しめます。
- 賑わいの香嵐渓広場: 川からの涼風により、他のエリアより早く紅葉が始まります。紅葉シーズン中は猿回しや和太鼓の演奏、陶磁器展など、様々な文化イベントで賑わい、地元の味覚を楽しめる出店も並びます。
この広場では、猿回しを横目に見ながら炭火焼の五平餅を楽しみました。本当に美味しかったですね。
- 由緒ある香積寺: この地の紅葉の歴史を語る上で欠かせない古刹です。風格ある寺院建築と色鮮やかな紅葉が調和し、静寂の中に凛とした美しさを感じられます。
- 歴史が息づく足助町並み: 江戸時代からの重厚な町並みが残る足助町は、まるでタイムスリップしたかのような趣があります。三州足助屋敷の他、少し足を延ばせば、風情ある商家や、歴史ある蔵など古い町が立ち並び、紅葉と相まって懐かしい日本の原風景を見せてくれます。
小原四季桜と紅葉が織りなすコントラスト
愛知県豊田市の小原地区は、春と秋の年2回、美しい四季桜が咲く名所として全国的に知られています。特に秋には、燃えるような紅葉と可憐な桜の花が織りなす日本でも稀有な景観が、訪れる人々の心を魅了します。
四季桜と紅葉が織りなす魅力の世界
- 春と秋の2度の花見体験: 一般的な桜とは異なり、秋の彼岸から冬にかけて次々と花を咲かせ続けます。この独特な開花パターンにより、ゆっくりと花の移ろいを楽しむことができ、まさに「時間の芸術」とも呼べる風景を見せてくれます。
- 紅葉との感動的な共演: 秋の紅葉シーズンには、深紅の紅葉と淡いピンク色の四季桜が織りなす色彩のハーモニーが、日本画のような幻想的な景色を作り出します。特に朝霧がかかる早朝や夕暮れ時には、一層神秘的な雰囲気を醸し出します。
- 桜色に染まる広大な景観: 小原地区には約1万本の四季桜が植えられており、地域全体が桜色のベールに包まれる様子は圧巻です。紅葉に彩られた山々を背景に、谷間に広がるピンク色の花々は、自然が描いた一幅の絵画のようです。
- 心癒されるのどかな風景: 四季桜並木が続く静かな山道の散策や、清流のせせらぎを聞きながらの川沿いの遊歩道散歩は、都会の喧騒を忘れさせてくれます。豊かな自然の中で過ごす時間は、心身をリフレッシュさせ、心に深く刻まれる思い出となるでしょう。
四季桜の見どころ
- 小原ふれあい公園: 広大な園内には多様な四季桜が植えられ、ゆったりと散策しながらお花見を楽しめます。園内の休憩スペースでは、美しい四季桜の風景を眺めながらくつろぐことができます。
- 小原四季桜まつり: 毎年11月、ふれあい公園で開催される「小原四季桜まつり」では、地元特産品の露店や伝統芸能の披露、写真コンテストなど、多彩なイベントが催されます。週末は特に多くの観光客で賑わいます。
- 柿ヶ入り遊歩道: 清流沿いに整備された遊歩道では、四季桜と紅葉を同時に楽しめます。木漏れ日の中、水面に映る四季桜と紅葉の美しいコントラストは、写真撮影にも絶好のスポットです。
四季桜と紅葉のコントラストは想像以上に美しいかったですね。残念ながら今回は時間の都合で遊歩道まで足を延ばせませんでしたが、次回はぜひ訪れてみたいスポットです。
おわりに
今回は、一泊二日で香嵐渓と小原四季桜の紅葉の旅の初日を紹介しました。二日目には大井川鉄道のSLと寸又峡の「夢のつり橋」を巡る予定だったため、クラブツーリズム主催のツアーを選択しました。
普段は車での家族旅行や個人旅行が多いのですが、今回は短期間で効率よく観光地を巡れるこのツアーを選びました。
初日は天候に恵まれ、暖かく観光には絶好の日でした。東京駅に朝7時に集合し、「こだま」で浜松駅まで移動。その後バスに乗り換えて香嵐渓へ向かい、紅葉シーズンの混雑で12時近くの到着となりました。ここで昼食をとり、香嵐渓周辺を散策して楽しみました。
午後2時半過ぎに小原四季桜と紅葉の見学へ移動し、1時間ほどの散策を楽しんだ後、ホテルへ向かいました。午後6時頃、宿泊先のグランドメルキュール浜名湖に到着。うなぎなどの名産が並ぶバイキング形式の夕食はアルコールも含むオールインクルーシブで、露天風呂も充実しており、快適なひとときを過ごすことができました。
二日目の大井川鉄道SLと寸又峡「夢のつり橋」を巡る紅葉の旅については、続編として近日中にアップいたしますので、どうぞお楽しみに。
【 参考情報 】