前編では、釧路湿原がなぜ国立公園に指定されたのか、その背景と重要性を詳しく説明しました。釧路湿原の自然環境の豊かさや生態系の形成・保護についても触れ、私たち夫婦が訪れた際の1日目の様子を共有しました。
後編では、2日目の活動に焦点を当てます。まず、自然が豊かなコッタロ湿原展望台を訪れた体験を共有します。次に、今回の旅行のハイライトである釧路湿原ノロッコ号(塘路駅~釧路駅)の素晴らしい風景と体験について詳しく語ります。さらに、カヌーで進む釧路川の美しさと新鮮さ、そして楽しさについても詳しく紹介します。
最後に、最終日に訪れた釧路湿原・温根内木道の魅力と見どころ、さらにこの散策道ができるまでの経緯などについても触れます。
今回の旅行のハイライトは、やはり釧路湿原を走るノロッコ号と釧路川でのカヌー体験です。ノロッコ号に乗ると、自然豊かな釧路湿原を一望でき、時が止まったかのような時間を過ごせます。また、釧路川でのカヌーは、自然と一体になり、野生動物を間近で観察することができましたね。
釧路湿原(2日目)
この日最初に専用バスで向かったのが、コッタロ湿原展望台です。そこから塘路駅に向かい、ノロッコ号に乗り釧路駅を目指します。釧路駅では各自昼食をとり、午後からは釧路川でのカヌーに臨みます。夜は自由行動で、夜景を見ながら夕食をとりました。
専用バスからは、エゾシカ、タンチョウ、キタキツネに何度か出会うことができました。特に、キタキツネの親子がかわいらしかったですね。
コッタロ湿原展望台
釧路湿原を横断する砂利道の道道1060号沿いに、壮大な眺望を楽しむための展望台があります。展望台までのドライブは、釧路川の蛇行が目の前に広がり、その自然の美しさに心が奪われます。エゾシカや野鳥が頻繁に出没するため、自然との触れ合いを求める冒険家の心をくすぐります。
高台への階段を上ると、湧き水が湧き出し、湿原の原始的な風景が広がります。ここは野生動物が遊びに来る場所でもあり、その存在を感じることができます。望遠鏡も設置されており、タンチョウなどの野生動物を探すことができます。その美しさと迫力にはきっと感動させられるでしょう。
ここにある展望台への階段はかなり急です。運動不足の方や高齢者にとっては、展望台への登りが大変かもしれません。私自身は日頃の運動のおかげで、全く問題ありませんでした。景色は本当に素晴らしかったですね。
釧路湿原ノロッコ号
釧路湿原の中心をゆっくりと進行する観光列車、通称「ノロッコ号」は、魅力的な湿原の風景を楽しめる旅の一部です。この列車は、例年4月29日から10月上旬まで(具体的な運転日は事前に確認してください)の期間、釧路駅から塘路駅までの約40~50分の区間を運行します。今回私たちは、塘路駅から釧路駅への逆ルートで旅をしました。
車窓からは、湿原の雄大で美しい風景だけでなく、釧路川の蛇行や岩保木水門の壮大な眺めも楽しむことができます。さらに、運がよければ、野生動物や珍しい鳥類を見るチャンスもあります。釧路湿原駅や細岡駅など、いくつかの駅で停車することで、ゆっくりとしたペースで自然を満喫することができます。
ノロッコ号は4両編成で、3号車までが指定席、4号車のみが自由席になっています。平日であったにもかかわらず、満席でしたね。
特に見どころのスポットでは、列車は速度を落として観光客が景色をよりよく見ることができるようにします。また、車内アナウンスによるガイドも提供されており、湿原の特性や歴史、動植物の情報など、湿原の魅力を深く理解するための情報を提供してくれます。
「ノロッコ号」は、釧路湿原の魅力を最大限に体験できる観光列車と言えるでしょう。今回は残念ながら、鳥は何羽か確認できましたが、野生動物は確認できませんでしたね。
釧路川カヌー
釧路湿原を南北に流れる全長おおよそ154キロの壮大な釧路川および、その迷宮のように複雑な支流では、四季折々の豊かな自然を満喫できるカヌー体験ツアーが開催され、訪れる人々に感動と魅力を提供しています。今回は、細岡から岩保木水門までの80分弱のカヌーの旅となりました。
春夏には、青々と生い茂る新緑の繁茂が視界を飾り、清々しい気分でカヌーに乗ることができます。そして秋には、紅葉に色づく木々が美しい風景を作り出し、その美しさはまるで絵画のようです。さらに冬場には、樹氷やダイヤモンドダストなど、冬の北海道ならではの自然現象をカヌーでクルージングしながら見ることができ、まさに自然そのものとの一体感を感じることができるそうです。
6月21日の初夏に訪れたときは、温度は18度前後で非常に爽やかでした。さらに、多くの野生動物を観察することができました。例えば、タンチョウやエゾシカ、オジロワシ、トビなどです。特に、めったに出会うことのないオジロワシを見ることができ、とても感激しましたね。
(ちょっと見にくいですがオジロワシが2羽いますよ。探してください。)
カヌー(ボートを含む)は自分で漕ぐことを基本とするアウトドアアクティビティであり、その運動量は健康にも良い影響を与えます。しかし、初心者でも安心して楽しむことができるように、経験豊富なガイドインストラクターが安全性と操作方法について丁寧にレクチャーします。これにより、誰もが簡単に操船できるようになり、その魅力を十分に味わうことができます。
釧路の夜景
海鮮料理を楽しんだ後、私たちは変化を求め、その夜はホテルのレストランでステーキを食べることにしました。新鮮な海鮮から一転してステーキを楽しみました。その日、レストランは混雑しており、料理が運ばれてくるまでにかなり時間がかかりました。
ワインとステーキはどちらも美味しかったですが、スタッフの対応が少し残念でしたね。もう少し手際が良ければ、食事の満足度はさらに上がったでしょう。
食事の後、特別な夜景を見るために、釧路川河口付近の幣舞橋(ぬさまいばし)へ行きました。幣舞橋は美しい夜景と夕日で知られています。この日は雲が多く、夕日は見えませんでしたが、代わりに光り輝く夜景が私たちを迎えてくれました。その景色は、とても素晴らしく「旅の想い出」として心に残りました。
北海道の夜景と言えば函館が有名ですが、幣舞橋からの夜景もライトアップが素晴らしく、とても魅力的でしたね。
釧路湿原(3日目)
旅の最終日です。朝食は活気溢れる和商市場で、釧路産のトキシラズや根室産の花咲ガニなど、約50種類のネタから選べる「勝手丼」を楽しみました。その後、専用バスで釧路湿原・温根内木道へ向かい、植物を眺めながらリフレッシュしました。最後に、釧路空港へと向かいました。
釧路湿原・温根内木道
温根内ビジターセンターを起点とする木道は、湿原の美しい景色と豊富な動植物を楽しむことができる素晴らしい場所です。この木道は、約1時間で1周できるように設計されており、その間に湿原の動植物などを紹介する解説板が設置されています。ヨシ・スゲ湿原やミズゴケ湿原、ハンノキ林など、湿原が持つ異なる表情を見せていました。
また、バリアフリー木道を利用すれば、約40分で1周できます。このルートでは、季節ごとにミツガシワ、ワタスゲ、ヒメシャクナゲ、トキソウなどの花々を見ることができます。それぞれの季節が独特の色と香りを持ち、一年を通して訪れる価値があります。
ここでは、ネイチャーガイドが温根内木道の成り立ちから現在までの経緯を詳しく説明してくれました。さまざまな動植物についても詳しく紹介されました。とても熱心でわかりやすい説明でしたね。
さらに、この木道は野鳥観察のための絶好の場所でもあります。1年を通して様々な野鳥が訪れ、木道入り口の林ではアカゲラなどの森林性の野鳥を、湿原ではタンチョウなどを見ることができます。これらの野鳥たちは、自然の中での生活を静かに観察するための素晴らしい機会を提供してくれます。
釧路空港
ここは「たんちょう釧路空港」という正式名称の空港です。空港の前には、大きなたんちょうのモニュメントが出迎えてくれます。空港は小規模で、主に日本の2大航空会社であるANAとJALが運行しています。しかし、残念ながら格安航空のLCCはほとんど運行していません。
空港内にはお土産のショップが設けられており、2階には「JAL PLAZA」や「ANA FESTA」などの店舗があります。また、3階には洋食レストラン「たんちょう」と和食・拉麺の「北斗」があります。
おわりに
私たち夫婦が初めて訪れる未踏の地、北海道の釧路湿原についに足を踏み入れることができました。わずか2泊3日という短い時間でしたが、天気に恵まれ、思い出深い楽しいひと時を過ごすことができました。
釧路湿原の自然の美しさ、その雄大さには本当に圧倒されました。手つかずの自然が広がる日本最大級の湿原は、一見の価値があります。豊かな自然と共に、さまざまな野鳥や野生動物に出会うことができ、その経験は心を深く癒してくれました。その美しい風景は、私たちの心に深く刻まれ、近いうちに再び北海道を訪れたいと思うことでしょう。
北海道の美味しい海鮮も、この旅行の大きな楽しみの一つでした。新鮮な海の幸を味わうために、ついつい財布のひもが緩んでしまうほどです。北海道は、春夏秋冬、どの季節に訪れても、その時々の季節の良さを感じることができ、訪れる価値が十分にあります。
シニア世代の皆様にも、このような北海道旅行をぜひ楽しんでいただきたいと思います。大自然に囲まれ、心が癒される時間を過ごすことで、普段の生活に新たな活力をもたらすことができるでしょう。