前回は、早春の庭を彩る花梅について、鉢植えでの育て方、季節に応じた剪定時期、そして樹形を美しく保つための具体的な剪定方法まで、実践的な知識をご紹介しました。特に、花後剪定、夏の剪定、冬の剪定それぞれの重要性と具体的な手順について、多くの方からご好評をいただきました。

この記事では桜について紹介します。ケイオウ桜とハナカイドウは、以前このブログで基本的な特徴や育て方のポイントを解説しましたので、今回は両種の開花状況と生育の様子を、季節の移ろいとともにお伝えします。
また、盆栽仕立ての桜については、これまで詳しくご紹介する機会がありませんでしたが、数年前から少しずつコレクションを増やしてきました。現在では5種類の桜を盆栽仕立てで育てており、庭木と鉢植えとして育てている2種類と合わせ、計7種類の桜が我が家の庭で育っています。
今回は、早春の訪れを最初に告げるケイオウ桜の華やかな姿と、その後に見頃を迎えるハナカイドウの現況をご紹介します。さらに、これから次々と開花する5種類の盆栽仕立ての桜について、その特徴とこだわりをじっくりとお伝えします。
ケイオウ桜
ケイオウ桜は、その独特な魅力で、ガーデニング愛好家の間で人気を集めています。ソメイヨシノなどの一般的な桜と比べると花は小ぶりですが、花付きが良く、切り花としても魅力的です。
春らしい爽やかな香りが特徴で、株自体も小ぶりに育つため、鉢植えに適しています。他の桜より省スペースで育てられ、切り花としても最長1ヶ月もの開花期間を楽しめます。このため、生け花のアクセントとしても重宝されています。
今年のケイオウ桜は開花が例年より遅く、通常の2月初旬から中旬の満開時期が3月初めまでずれ込みました。これは2月の厳しい寒さが影響したかもしれません。開花期間も例年より短く、一斉に咲いた花は3月の暖かさで早々に散り始めました。
しかし、メジロとヒヨドリは変わらず花の蜜を求めて頻繁に訪れていました。

ハナカイドウ
ハナカイドウの名前には、興味深い歴史があります。江戸時代初期に中国から日本に伝わったこの植物は、「花が美しい海棠」という意味から「花海棠」と名づけられました。
ハナカイドウの名前には、その美しい花や果実、そして遠くの地から伝わった歴史が込められています。これらの要素が、ハナカイドウが多くの人々に親しまれている理由を物語っています。ハナカイドウはただの植物以上の存在で、その名前には美しさ、歴史、そして起源への敬意が表されているのです。
今年のハナカイドウは例年より開花が遅く、花が少なめで葉が多めになりました。一般的な桜は花が先に咲き、その後に葉が出ますが、ハナカイドウは葉と花が同時に出現します。花は例年通り、可憐な淡いピンク色の大ぶりな花を咲かせています。

盆栽仕立の桜たち
これらの桜は苗木を購入し、それぞれの特性に合った鉢に植え替えました。植え替えの際は古い土を丁寧に落とし、赤玉土と鹿沼土を7対3の割合で混ぜ合わせた新しい用土に固形肥料を加えて使用しました。この作業は寒い時期に実施しました。
栽培している桜の中で、御殿場桜のみが一重咲きで、他はすべて八重咲きです。開花時期は4月中旬以降となりますが、その華やかな姿を今から心待ちにしています。以下、それぞれの桜の特徴をご紹介いたします。
御殿場桜
盆栽仕立ての桜の中では一番古い桜になります。購入したのが今から5年前ほどになります。御殿場桜は、静岡県御殿場市周辺に自生するバラ科サクラ属の桜です。その主な特徴は、以下のとおりです。
- 樹高は低く、盆栽に適したサイズに管理しやすいです。
- 一重咲きで大輪の花を咲かせ、淡い紅色が特徴です。
- 花付きが良く、盆栽でも多くの花を楽しむことができます。

御殿場桜は、数年前の御殿場への旅行中に偶然出会った思い出深い桜です。地元の方から御殿場桜の歴史や特徴について詳しく教えていただき、その美しい姿と繊細な花びらの色合いに魅了された感動は、今でも鮮明に覚えていますね。
旭山桜
盆栽仕立ての桜の中で2番目に古い桜です。約4年前に購入しました。旭山桜は、コンパクトな樹形と華やかな花姿が特徴で、盆栽愛好家に特に人気があります。主な特徴は以下のとおりです。
- 矮性で樹高が低く、盆栽に適した大きさに管理しやすいです。
- 淡いピンク色の八重咲きの花をたくさんつけます。
- 花が密集して咲くため見応えがあり、盆栽でも豪華な花見を楽しめます。


若木のうちから花を咲かせることから「一才桜」とも呼ばれていますね。
関山桜
この桜は、購入してから3年ほどたちます。八重咲きの華やかな花を咲かせるサトザクラの代表的な品種です。盆栽としての関山桜には、以下のような特徴があります。
- 生育が旺盛で剪定にも強く、針金かけにより様々な樹形に仕立てられます。
- 濃いピンク色の八重咲きの花が、豊かに咲き誇ります。
- 花弁が多く、見応えのある豪華な花姿を楽しめます。

花と若葉が同時に開くため、開花期には華やかで生き生きとした印象を与えます。
御衣黄桜
この桜は、去年購入しました。緑色の珍しい花を咲かせるサトザクラの品種であり、盆栽としても高い人気を誇ります。以下にその特徴をまとめました。
- 樹高が控えめで、盆栽に適した大きさに管理が容易です。
- 剪定への耐性が高く、多様な樹形に仕立てることができます。
- 花は八重咲きで10〜15枚の花弁があり、見応えがあります。開花初期は緑色で、次第に黄色みを帯び、散り際には中心が薄紅色に変化していきます。

花笠桜
この桜は、御衣黄桜と同時に去年購入しました。特徴的な花姿を持つサトザクラの品種で、盆栽としての花笠桜には、以下のような特徴があります。
- 樹形は傘状に広がり、剪定にも強く、その特性を活かした優美な仕立てが楽しめます。
- 大輪の八重咲きの花を咲かせ、特徴的な葉化した雌しべが長く突き出します。
- その姿が花笠に似ていることから、この名前が付けられました。花色は淡い紅色で、豊かな花形は見応え十分です。

おわりに
今年のソメイヨシノは例年通りの開花時期を迎え、4月に入ってからの寒気の影響で開花がゆっくりと進み、現在も見事な満開の花を咲かせています。日本を代表する桜の品種として知られるソメイヨシノですが、近隣に素晴らしい名所があることから、自宅での栽培にはさほど魅力を感じていませんでした。
しかし、私自身が桜の持つ優美な姿に魅了され、最初の一歩として生け花用にいただいたケイオウ桜を鉢植えとして育て始めました。このケイオウ桜は予想以上の成長を見せましたが、これは鉢底から根が伸び、直接地面に根を張ってしまったためでした。樹木が大きくなるにつれて日常の手入れが困難になり、現在は適切な大きさに抑えるための剪定を継続しています。
この経験から学び、現在では鉢植えの桜は全てコンクリートなどの固い地面の上で栽培し、根が下方に伸びるのを防いでいます。また、庭全体の調和を考えながら、様々な草花との共存を図るため、管理のしやすい盆栽仕立ての桜を徐々に増やしているところです。
桜は、梅と並んで日本の早春を象徴する素晴らしい花木です。その繊細な美しさと、季節の移ろいを告げる特別な存在として、これからも丹精を込めて育てていきたいと思います。

各品種の特性を理解し、それぞれの持ち味を最大限に引き出せるよう、愛情を持って育てていきたいと思っています。
《 参考情報 》


