これまでの記事では、主に庭で咲いている花たちの紹介を行ってきました。今回は、いままでに紹介してこなかった自家製の収穫物である「ベリー三兄弟」に焦点を当てたいと思います。
このベリー三兄弟とは、具体的にはイチゴ(ストロベリー)、ラズベリー、ブルーベリーの三種類の果物を指します。これらは全て私たちの庭で愛情を込めて育てられています。現在はイチゴの収穫期を迎えており、その後にラズベリーとブルーベリーの収穫期が続きます。
この記事では、特に現在最盛期を迎えているイチゴについて詳しく紹介します。イチゴは毎年12月頃からスーパーマーケットなどの店頭に並び始めますが、これらは大部分が温室で育てられ、販売を主目的としています。一方、一般的な家庭菜園では、特別な設備である温室を使わずに育てられ、通常4月下旬から5月にかけて収穫期を迎えます。
今回の記事では、特に家庭菜園で手軽に育てられ、収穫を楽しむことができるプランターや鉢植えのイチゴについて、その特徴や育て方について紹介します。これからイチゴ作りを始めたい方の参考になれば幸いです。
知人から頂いた苗を使って、毎年4月から5月にかけて2種類のイチゴの実を育てています。市販のものよりは少し小粒ですが、新鮮でとても美味しいですね。
特 徴
イチゴはその独特の甘酸っぱさと美しい花で、多くの人々に愛されるバラ科の多年草です。これらの魅力的な特性から、イチゴは家庭菜園で特に人気のある選択肢となっています。春に咲く可憐な白い花もイチゴの魅力を引き立てます。また、最新のイチゴの品種には、一季なりと四季なりの品種があるそうです。四季なりのイチゴの苗は収穫できる時期が増えるため、育ててみると良いかもしれません。
- 種類: 200種以上あり、大きく分けると、ヨーロッパ系、東洋系、アメリカ系があります。
- 味: 甘酸っぱい味が特徴ですが、品種によって酸味が強いものや甘いものなど、様々な味があります。
- 香り: 強い香りを持つものから、ほのかに香るものまで、品種によって様々です。
- 大きさ: 小さいものから大きいものまで、品種によって様々です。
- 色: 赤色が中心で、白色、黄色など、様々な色があります。
- 栄養: ビタミンC、ビタミンK、食物繊維などが豊富に含まれています。
プランターで育てたイチゴはで4月初旬から収穫可能になり、植木鉢のイチゴは5月から美味しく食べられるようになりますね。
育て方
時 期
- 植え付けの時期: 秋と春の2回あります。一般的ないちごの苗は、3月ごろに開花するので、秋の植え付けは9月下旬から10月上旬にかけて、春の開花した苗の植え付けは3月下旬から4月上旬にかけて行います。
- 収穫の時期: 一年のうちで最も適した収穫の時期は4月から6月上旬頃です。家庭菜園では、この期間のイチゴが最も新鮮で、栄養価が高くなります。
ここでの事例は、比較的温暖な首都圏におけるものであり、地域の気温差により時期が前後する可能性があることをご理解ください。
場 所
- 日差しが直接当たり、水はけが良い場所です。これにより、植物は光合成を行い、成長するために必要な日光を十分に受け取ることができます。また、適切な排水により、過剰な水分が溜まらないことが確保されます。
- 風通しが良く、霜が降りにくい場所が最適です。風通しの良さは植物の呼吸を助け、霜が降らないことで寒冷ダメージを避けることができます。
土
- イチゴの栽培では、「通気性」と「水はけ」の良い土を使用することが基本です。さらに、根が伸びやすくするためには、柔らかい土を使うことも重要です。
- プランターや鉢植えでは、市販の野菜用培養土を使用します。これは、イチゴの成長に適しており、容易に手に入れることができます。
植え付け・植替え
- 苗の根を広げて、深植えを避けるためには、地面を平らにしてから苗を植え、その後、根元に水をたっぷりと与えてください。
- クラウンと呼ばれる葉の付け根を土に埋めないように注意してください。クラウンは植物の成長にとって重要な部分であり、土に埋めると腐敗や病気の原因となる可能性があります。
- プランターで栽培する場合、ランナー(つるの様に伸びた茎)を同じ向きに整列させ、間隔を約15㎝程度開けて植えることが大切です。
水やり
- 土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、しっかりと湿らせてください。乾燥を防ぐためには、土の湿度を保つことが重要です。
- 特に夏場は、高温により土が乾きやすいため、朝と夜の2回、一日に2回水やりを行うことをおすすめします。これにより植物の水分供給を確保できます。
肥 料
- 春と秋の二回、植物の成長を助けるために緩効性化成肥料を適切な量与えましょう。
- 花が咲き終わった後、イチゴが実をつけるためには追肥を与えることが重要です。これにより、イチゴはより大きな実をつけることが可能になります。
収 穫
- 果実が鮮やかな赤色に変わり、触感が柔らかくなったときが収穫の適切なタイミングです。これは果実が完全に成熟し、最高の風味と栄養価が得られる状態を示しています。
- 収穫する際には、果実をヘタごと摘むのが一般的です。これは果実が傷つけられるのを防ぎ、保存期間を延ばすためです。
来年の苗作り
- イチゴの収穫が終わる6月頃から、新しいランナーを親株に育て、来年の苗を作り始めます。ランナーから根が出始めたら、親株から切り離し、植え付けてください。
- 収穫が終わった苗は、翌年も使えるものと使えないものがありますが、元気なものはそのまま使いましょう。
重要ポイント
- イチゴの受粉方法には、自然受粉(ミツバチなどの虫や風によって自然に行われる方法)と人工授粉(筆などを使って人工的に行う方法)があります。
- イチゴは多年草で、そのままの苗を翌年にも利用できます。しかし、苗が弱って使えなくなることもありますので、来年に向けてランナーを活用した苗作りをお勧めします。
- アブラムシなどの病害虫対策にも注意が必要ですが、できるだけ農薬は避けましょう。
- 一定の時期に摘芯や追肥を行うことで、より多くの果実を収穫することができます。
家の庭には、春先から様々な花が咲き色々な虫や野鳥などが飛来してくるので、自然受粉でしっかりと実がなりますね。
おわりに
プランターや植木鉢を使用すると、限られたスペースでも、例えば小さなバルコニーやテラス、あるいは室内で、美味しい新鮮なイチゴを育てることができます。これは、広い庭がなくても、自宅のスペースを最大限に活用して、自家製の甘いストロベリーを楽しむことが可能であるということを意味します。
イチゴ栽培に興味がある方は、ぜひこの方法で試してみてください。自分で育てたイチゴの味は、市販のものとは比べ物にならないほど新鮮で、その喜びは格別です。自分で育てたイチゴを収穫し、味わう楽しさは言葉で表現できません。もちろん、そのままでも美味しいですが、家庭ではサラダやヨーグルトのトッピング、デザートとしてもおいしくいただけます。
その手間と愛情が詰まった果実の喜びを体験してみませんか。誰でも簡単にできるイチゴ菜園を、今すぐ始めてみましょう!
イチゴは、様々な品種があるので、お好みの品種を見つけて育ててみてくださいね。
【 参考情報 】