コキアはかつてコキア属(Kochia)に分類されていましたが、現在はバッシア属(Bassia)になっています。世界各地で野生化しており、日本でも帰化植物となっています。イソボウキとも呼ばれます。
ヨーロッパの荒れ地が原産で、中国から食用として日本にも渡来しました。秋になると特徴的な赤色に変わる葉を持っています。そのため、秋の庭や花壇のアクセントとして人気があります。また、コキアは非常に丈夫で育てやすく、初心者でも簡単に栽培できます。
昨年に「ひたち海浜公園」で見たコキアが素晴らしかったので、今年から新たにコキアを庭に植えることにしました。そこで、今回は、庭にあるコキアの特徴、種類、育て方についてのブログ記事を書くことにしました。
コキアの特徴
ホームセンターなどで見かけるコキアは、細い葉と尖った先端が特徴です。秋になると紅葉し、鮮やかな赤色に変わる様子は美しく、人気があります。花が咲くのは8月~9月ですが、花自体は目立たず、緑から赤へと変わる紅葉を楽しむための植物と言えます。暑さに強く、花が少なくなる真夏でも自宅の庭を明るく彩ってくれています。種が自然に蒔かれても増えるほど強い植物ですが、寒さには弱く、冬前までの一年草です。主な特徴は次のとおりです。
- 一般的なコキアは、草丈は50~100cm程度になります。
- 葉は細長く、先端が尖っており、花も小さく、目立たないです。
- 果実は丸く、トウモロコシのような形をしています。
- 種子には油分が多く含まれていおり、茹でて食べられます。
- 枝をほうきとして使うこともあるので、「ホウキ草」ともいわれています。
コキアの種類
コキアには、大きく分けて以下の2種類があります。
ハナホウキギ(トリコフィラ)
この品種は市場で広く流通しており、その存在は非常によく知られています。特徴的な形と美しい色合いにより、視覚的に魅力的な植物です。草丈は適度な50~100cmで、細長い尖った葉を持っています。夏には生命力あふれる緑色を見せ、心地よい自然の風景を作り出します。そして秋にはその色彩が鮮やかな赤色の紅葉に変わり、「ひたち海浜公園」のような季節の移り変わりを象徴する素晴らしい風景を提供します。
アカプルコ・シルバー
この品種は、葉の先端が白く縁取られている独特な特徴を持っています。白い縁取りは、葉全体の色合いを引き立て、視覚的なコントラストを生み出し、より鮮やかな印象を与えます。草丈については、ハナホウキギよりもやや低めで、平均的には30~50cm程度になります。このため、庭の視覚的バランスを保つのに適しており、その他の植物との調和も取りやすいですが、あまり市場には流通していません。
コキアの育て方
コキアは、日当たりと風通しの良い場所で育てます。水やりは、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。肥料は、植え付け時に元肥を施し、その後は月に1回程度、緩効性肥料を与えます。
- 種は浅くまき(1cm程度)、発芽後は間引きをして本葉が2~3枚になったら定植します。種まきは春先(3月~4月)に行います。土壌は水はけの良いものを選びます。
- コキアは苗木でも売っているので、初めての場合は苗木から始めると簡単で、秋には間違いいなく紅葉を楽しむことができます。色づきが悪い場合は、窒素肥料を控えてリン酸肥料を与えると良いでしょう。
- 日当たりと水やりは十分に与えます。乾燥に弱いので注意してください。肥料は少量ずつ与えます。過剰に与えると草丈が伸びすぎて倒れやすくなります。
- 強風などで倒れやすく、枝が混みあうと害虫が発生しやすいので注意が必要です。
今回は、苗木で2本買ってみたのですが、茎葉が密でなく、丸くもならずちょっと残念な結果になってしまいました。しかし、紅葉は真っ赤になりきれいだったので、来年はもう少し上手に育てたいですね。
コキアの楽しみ方
コキアの楽しみ方は、大きく分けて以下の2つがあります。
観賞
観賞用に栽培されるのは、主に変種のハナホウキギ(トリコフィラ)です。コンパクトで丸みのある草姿で、秋には鮮やかに紅葉します。花は淡黄緑色で小さく目立ちませんが、雌雄異花です。実は「畑のキャビア」として知られる「とんぶり」の原料になります。何本かのコキアを組み合わせることで、庭や花壇にさまざまな表情を与えることができます。
料理
「畑のキャビア」とも称される貴重なコキアの種は食用で、「とんぶり」という名前で販売されています。とんぶりの作り方は、まずコキアの種を摘み取り、それを乾燥させてから煮込むという手順を踏みます。その後、種子の殻を丁寧に取り除きます。このようにして処理されたコキアの種子は、炒めたり、粉末にして料理に使用することができるそうです。
コキアは、丈夫で育てやすい植物です。初心者の方でも気軽に育てることができます。ぜひ、庭や鉢植えでコキアを育てて、その美しい姿や味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後に
コキアは、春に種まきをして秋に美しい紅葉を楽しめる一年草です。草姿は円錐形で繊細な茎葉が密に茂り、刈り込んだような整った形をしています。コニファーのような見た目で、何株かをまとめて植えると特徴的な景観が作れます。ホウキギという和名の通り、刈り取って乾燥させて草ボウキにすることもできます。
コキアは、その美しい変化する葉や丈夫さから、庭や花壇のアクセントとして非常に人気があります。さまざまな種類の草花とコキアを組み合わせることで、季節ごとに異なる景色を楽しむことができます。
初心者でも育てやすく丈夫なので、庭の一部としてコキアを取り入れてみてはいかがでしょうか。コキアは、秋の花壇や鉢植えにぴったりの植物です。ぜひ挑戦してみてください。
多くのコキアを育てるとその種がたくさんこぼれるので、翌年になるとアチコチにコキアの小苗が発生し、増えすぎる危険性があります。また、増えすぎると大きくなって邪魔になることもありますので、注意しましょうね
《 参考資料 》
・コキアとは|育て方がわかる植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
・ コキアの種類(原種、品種)|植物図鑑|みんなの趣味の園芸(NHK出版)
・ コキア 新・花と緑の詳しい図鑑 – Garden vision
・コキアが丸くならない原因と対策-Green Mania