健康生活ガイド(デング熱編)

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デング熱は、主に熱帯や亜熱帯地域に生息する蚊により媒介されるウイルス感染症です。人間は、これらの蚊に刺されることで感染します。このウイルスは、人間の血液を吸う蚊から直接伝播します。この病気は赤道周辺地域で広く流行しており、特に東南アジア、南米、中米、アフリカの一部地域では重大な公衆衛生上の問題となっています。

毎年、これらの地域では年間5,000万人以上が感染すると推定されており、その数は増加傾向にあります。近年、日本でもこの病気の発生が確認され、特に2014年には国内で初めて死者が出た事が報告されています。そのため、デング熱は世界的に見ても重要な感染症となっており、防疫対策が急務となっています。

現在の世界の感染者数は、2024年5月時点で既に800万人に達し、2023年の年間感染者数を上回る増加傾向にあります。日本でも、海外から帰国した人々の間でデング熱感染者が増え、2024年5月時点では、25都道府県で69人に上りました。

インバウンド需要の増加に伴い、外国人観光客も急増しています。デング熱が流行している地域からの訪日者の中には、自分が無症状で感染に気づかない人もいます。そのような人が蚊に刺されると、感染が広がる可能性があります。また、感染した蚊が日本に入国する可能性もあります。

感染者が世界的に急増し、日本でも今年に入り約70人の感染が確認されました。そこで、このブログ記事ではデング熱の症状、原因、予防法などを紹介します。

症状

デング熱の症状は発熱が一般的で、しばしば急激に高温になります。頭痛、特に後頭部の強い痛みもよく見られます。筋肉痛と関節痛も非常に一般的で、全身の筋肉や関節に強い痛みを感じることがあります。さらに、皮膚に発疹が出現し、通常は胸や腕、脚などに見られます。

これらの症状は通常、発症後数日間続き、その後消えることが多いです。しかし、デング熱が重症化すると、出血傾向、脱水症状、ショック状態を引き起こすことがあります。これらは非常に深刻な状態であり、適切な医療介入がないと死に至る可能性があります。

なお、デング熱の症状が出たら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

原因

デング熱を引き起こすウイルスは、その特性に基づき、DENV1、DENV2、DENV3、およびDENV4の4つの異なるタイプに分類されます。これらすべてのウイルスは人間に感染する能力を持ち、特定の蚊種が主な感染経路となります。

A tetravalent live attenuated dengue virus vaccine stimulates balanced immunity to multiple serotypes in humans - Nature Communications
Multivalent vaccines that confer protection to multiple serotypes of Dengue virus have been established. Here the author...

ネッタイシマカ

東南アジアなどの熱帯地域に生息する「ネッタイシマカ」が主な媒介蚊です。これらの蚊に刺されると、人間はデング熱ウイルスに感染する可能性があります。

日本におけるネッタイシマカの分布, 侵入および定着

デング熱ウイルスに感染した人が蚊に刺されると、その蚊はウイルスを保有し、次に刺す人に感染を広げます。感染者の中には重症化する人もいますが、大半は無症状で、感染に気づかないことがあります。このように蚊が人間を刺し続けることで、感染は知らず知らずのうちに広がってしまいます。

予防

デング熱は、海外旅行中に感染する可能性が特に高い病気です。特に、旅行先がネッタイシマカの生息地である東南アジアの場合、感染リスクが高まります。そのため、旅行前に、目的地のデング熱の流行状況を確認することが重要です。さらに、出発前と現地での適切な予防対策を行うことで、感染リスクを最小限に抑えることが可能です。

デング熱の予防には、以下の対策が有効です。

蚊に刺されないようにすること

蚊に刺される可能性を抑えるためには、長袖のシャツや長ズボンを着用し、虫よけスプレーを適切に使用することが重要です。特に、夜間や夕暮れ時は蚊が活動的になるため、外出時には特に注意が必要です。

蚊の発生源を減らすこと

蚊は水たまりや草木が生い茂った場所を好みます。したがって、庭や周辺環境の手入れを行い、水たまりを排除したり、草木を刈り取るなどして、蚊の生息地を減らすことが有効です。

殺虫剤を使用すること

屋内外で殺虫剤を散布することで、蚊の数を減らし、感染リスクを低減することができます。特に、家の中や寝る前には、部屋全体に殺虫剤を散布することをおすすめします。

なお、「ネッタイシマカ」の一部には殺虫剤に対し、スーパー耐性を持っており、一般の殺虫剤では効果がないことがわかっています。

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【NHK】夏になると、私たちを悩ませる「蚊」。でも、かゆい、わずらわしい…だけでは済まされない、深刻な事態を引き起こしています。蚊…

治療法

デング熱の特定の治療法や特効薬は存在しません。そのため、対症療法が主に行われます。具体的には、解熱剤の投与、鎮痛剤の使用、および水分補給が含まれます。これらは全て、症状を和らげて体調を管理することを目的としています。しかしながら、症状が重症化した場合、これらの対症療法だけでは不十分で、入院治療が必要となることもあります。

デング熱の特定の治療法や薬がないので、できるだけ蚊に刺されないことが一番の対策になりますね。

最後に

デング熱の流行を止めるためには、個々の予防策だけでなく、地方自治体による積極的な対策が重要です。これらの対策には、蚊の駆除だけでなく、市民への情報提供や啓発活動も含まれます。これらの活動は感染症の拡大を防ぐ重要な手段であり、情報に基づいた行動をすることで感染リスクを全体として低減できます。

具体的な予防策としては、蚊の生息地の撲滅、殺虫剤の使用、蚊に刺されない衣服の着用、蚊帳や蚊取り線香の使用などがあります。地方自治体による対策としては、蚊の繁殖地の管理、蚊の駆除、市民への情報提供、啓発キャンペーンの実施などが考えられます。

デング熱は重大な感染症で、適切な予防がないと重症化し、最悪の場合、死に至ることもあります。したがって、感染を未然に防ぐために予防策を実行することが重要です。自分だけでなく社会全体の健康を守るため、予防に努めることが求められます。

デング熱の予防は個々の行動だけでなく、地域全体での取り組みが重要です。情報に基づいた行動をすることで、自分だけでなく他人も守り、社会全体の感染リスクを低減することに繋がりますね。

【 参考情報

デング熱について
デング熱の流行状況(東京都 2024年) | 東京都感染症情報センター
東京都感染症情報センターは、東京都における感染症の発生状況など、感染症に関する色々な情報を提供しています。
MSN

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