健康生活ガイド(劇症型溶連菌感染症編)

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劇症型溶血性レンサ(連鎖)球菌感染症(STSS)は、通常「劇症型溶連菌感染症」と呼ばれ、極めて高い致死率を持つ感染症です。非常に危険なこの感染症は、「人食いバクテリア」とも称されており、その怖ろしさを物語るかのように、その致死率はなんと30%にも上ります。

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国立感染症研究所の報告によると、今年に入ってから5日までの国内の報告例は早期報告で801人に達しています。これは、前年の同じ期間と比較して、驚異的な2.76倍の増加です。また、昨年は1年間で最も多いとされる941人の患者が確認されましたが、今年はその数を大きく上回るペースで増加しており、そのスピードは驚くべきものです。

この記事では、劇症型溶連菌感染症について詳細に解説します。この感染症は高齢者に多く見られ、特に致死率が高いのが特徴です。したがって、予防が極めて重要となります。

この記事を通じて、読者の皆様がこの危険な感染症について深く理解し、適切な予防策を講じることができるようになることを目指しています。感染症の予防には日常生活の衛生管理が重要なため、具体的なアドバイスも提供します。

健康を守るためには、自分自身で行動することが必要です。その第一歩として、必要な知識を得ることがとても重要ですね。

劇症型溶連菌感染症とは?

  • 劇症型溶連菌感染症は、急激かつ劇的に病状が進行する感染症で、致命率が非常に高い特異な病気です。
  • 発症から数十時間以内に、皮膚軟部組織の壊死や多臓器不全を来たし、ショック状態に陥ることがあります。
  • 子どもから大人まで多くの年齢層で発症する可能性がありますが、特に30歳以上の大人に多く見られます。しかし、子どものほとんどは発症せず、65歳以上の高齢者の罹患率が最も高い傾向にあります。

原因菌と感染経路

  • 劇症型溶連菌感染症の原因菌の多くは、A群溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus pyogenes: GAS)という細菌です。
  • A群溶血性連鎖球菌が産生するスーパーアンチゲンという毒素が原因で引き起こされます。スーパーアンチゲンは免疫細胞を大量に活性化し、炎症性物質であるサイトカインを放出します。このサイトカインの嵐が全身の炎症を引き起こし、結果として皮膚軟部組織の壊死や多臓器不全に陥るのです。
  • 飛沫感染や接触感染によって広がりますが、すべてのA群溶血性連鎖球菌感染症が劇症型を起こすわけではありません。
  • 劇症型になるメカニズムは宿主側の要因(65歳以上、皮膚軟部組織感染症、外傷、糖尿病などの基礎疾患)と細菌側の要因が複雑に関与しており、未だ解明されていない点も多いです。

感染経路が不明の場合も多く、水虫などから気づかないまま、感染してしまうケースも多くありますね。

症状・治療法

劇症型溶連菌感染症の症状は、発熱、38度以上の高熱、発疹、のどの痛み、筋肉痛、嘔吐、下痢などです。これらの症状に加えて、以下の症状が現れる場合は、劇症型溶連菌感染症は急激に悪化するため、速やかに医療機関を受診する必要があります。

  • 低血圧、意識障害、呼吸困難、皮膚の冷感、チアノーゼ(唇や指先が青紫色になる)などの症状が進みます。
  • 患部の腫れがかなりのスピードで拡大し、皮膚軟部組織の壊死が始まります。
  • 治療には、抗菌薬、ステロイド薬、輸血、人工呼吸、皮膚組織の壊死部分の除去手術などがあります。

なお、受診の目安としては、急速に広がる皮膚の赤みや熱感、腫れがある場合、痛みの程度が強い、または赤みのある部位を超えた痛みがある場合です

予防方法

劇症型溶連菌感染症は、ワクチンや特効薬が現時点ではないため、予防がとても大切となります。特に、この感染症は新型コロナと同様、接触感染と飛沫感染を遮断することが重要です。咽頭炎や皮膚軟部組織感染を起こすA群溶血性連鎖球菌に感染しないよう、以下の点に注意が必要です。

  • 手洗いを徹底する
  • 咳やくしゃみの際は、口と鼻をティッシュで覆い、周囲に拡散しないようにする
  • 傷や皮膚炎には、清潔な被覆材を使用する
  • 患者の身の回りには、清潔な環境を保つ
  • 傷や皮膚感染症がある場合には、温泉、プール、川や海に入るのは避けたほうが良い
  • 飛沫感染対策には、マスクの着用が有用

おわりに

劇症型溶連菌感染症は、65歳以上のシニア世代に発症する可能性が高く、特別な注意が必要です。症状は最初は風邪と似ていますが、急激に悪化することがあります。初期段階では、病院での診断は困難で、他の病気と誤診されることが多いです。発症事例が少なく、一般病院や診療所、クリニックでは原因を特定できず、必ずしも適切な治療につながらないのが現状です。

したがって、この感染症の症状が出た場合は、一刻も早く感染症専門医がいる病院を受診することをおすすめします。

この感染症は時として一刻を争うため、早期発見・早期治療が鍵となります。もちろん、予防が最も重要ですが、感染経路が不明な場合も多いため、水虫や傷を完全に治し、侵入経路を塞ぐことも大切です。

世界では、様々な感染症が広がっているため、日頃から基本的な予防対策が極めて重要となりますね。

【 参考情報 】

劇症型溶血性レンサ球菌感染症 (STSS)とは  東京都保健医療局
劇症型溶血性レンサ球菌感染症|厚生労働省
劇症型溶血性レンサ球菌感染症について紹介しています。
劇症型溶レン菌感染症

 

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