健康生活ガイド(スーパーエイジャー編)

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スーパーエイジャーとは、一般的に「歳を重ねても、実年齢より遥かに若い人々と同程度の記憶力や認知機能を持つ80歳以上の活動的な高齢者」のことを指します。今では、80歳以上でありながら、身体的、精神的、社会的に非常に活動的な高齢者も多いため、ここでは、90歳以上で心身とも元気な方をスーパーエイジャーとします。

私は長年、両親の介護を担ってきました。その過程で、介護施設や医療機関で多くの時間を過ごし、さまざまな高齢者と接する機会がありました。彼らの行動を通じて、身体の衰えは個人差が大きいこと、そしてその差は高齢になるほど大きくなることを再認識しました。

介護施設にも、90歳を超えても活動的なスーパーエイジャーと呼ばれる高齢者がいます。彼らは年齢を重ねても生き生きとした日々を送り、毎日を楽しんでいます。活動的な高齢者の多くは女性で、これは女性の平均寿命が男性より長いことと関連している可能性があります。

今回の記事では、スーパーエイジャーになるための要因や生活習慣について、考察してみたいと思います。

健康生活ガイド
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遺伝的な要因

スーパーエイジャーになるには、遺伝的な要素も影響すると言われています。スーパーエイジャーには、長寿遺伝子や認知症リスクを低減する遺伝子を持っている人が多いことが研究で分かっています。また、彼らは以下の特徴あることいわれている。

寿命を延ばすサーチュイン遺伝子を活性化させて脳の老化も予防 - 認知症予防習慣
1980年後半から1990年初めにかけて分子遺伝学による長寿・寿命の制御に関する研究が盛んになり、寿命を延ばすサーチュイン遺伝子が発見されました。今回は、長寿

厚い大脳皮質

米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された論文によると、80歳以上の高齢者の中でもスーパーエイジャーは一般的な高齢者と比べて大脳皮質が厚いと報告されています。大脳皮質は脳の最も大きな部分で、しわが刻まれた表層部です。この部分は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに分けられ、思考から発話、音声処理、視覚や味覚などの知覚情報を全て管理しています。

少ない脳の萎縮

この研究では、記憶力テストで50~65歳の年齢群と同等のスコアを取得した80歳以上の高齢者をスーパーエイジャーと定義しました。調査には、スーパーエイジャー20人と同年代の平均的な高齢者12人が参加しました。18ヶ月の調査期間中に、全ての高齢者の脳萎縮が見られたものの、スーパーエイジャーの萎縮量は同年代の平均的な高齢者の約半分でした。スーパーエイジャーの脳萎縮率は1.04%で、対照的に平均的な高齢者のは2.24%と明らかに高かったのです。

頭の回転速い高齢者「スーパーエイジャー」脳の萎縮少ない 研究
【4月6日 AFP】人間の脳は加齢に伴い萎縮していくが、中には他の高齢者よりも脳の量が減らず、おそらくそれが理由で頭の切れが衰えない「スーパーエイジャー」と呼ばれる人々が存在するとの研究論文が4日、発表された。

脳の老化の要因

脳の老化の一つの重要な要因として、アミロイドβという老廃物の蓄積が広く知られています。このアミロイドβは、実際には全ての人、つまり健康な人の脳にも存在しています。しかし、何らかの異常が発生し、この物質が脳内に過剰に溜まってしまうと問題が生じます。アミロイドβは、健康な神経細胞に付着し、それらを囲んでしまいます。これが脳を萎縮させる原因となり、脳の健康全体を脅かすのです。

このように、脳萎縮が進行し加速していくと、様々な問題が生じますが、その中でも特に懸念されるのが記憶障害です。これがさらに進行することで、最終的にはアルツハイマー型認知症へと進展してしまう可能性があると、現在多くの研究者たちが考えています。

この点から見て、脳萎縮が少ないスーパーエイジャーと呼ばれる人々は、アミロイドβが体に溜まりにくい生活習慣を実践していると考えられています。つまり、これらの人々はアミロイドβの蓄積を抑制することに成功し、その結果アルツハイマー型認知症などを遠ざけていると考えられています。

日本認知症協会|アミロイドβを生み出す原因

必要な対策

スーパーエイジャーは、高い身体機能と認知機能を有し、長寿で健康的な生活を送っています。これらの人々は、私が常にシニアの皆様に提唱している健康寿命の保持を実践している最良の例です。スーパーエイジャーになるためには、健康的な食生活や睡眠を維持するだけでなく、以下のような後天的な対策も重要です。

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定期的に体を動かす

スーパーエイジャーは、日常生活の中で定期的に体を動かしています。科学的な研究で、適度な運動が長寿や健康的な老化に寄与することが確認されています。

体を動かすと言うと、ウォーキングや筋トレを思い浮かべるかもしれませんが、それだけに限定されるわけではありません。ガーデニングや手作りの作業、家の周りの日常的な仕事でも体を動かすことが可能です。これらの活動は心と体の健康を維持する上で重要な要素となります。

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社会活動に参加する

活発な高齢者は、友人や家族との親密な時間を過ごしたり、地域のボランティア活動に参加したり、さまざまな社会イベントに出席したりするなど、社会的活動に積極的です。

社会との強いつながりは、健康的な老後生活の鍵とも言えます。研究によれば、社会的に活動的な人々は一般的に長生きし、身体的、精神的、認知的な健康状態が良いとされています。交流とコミュニティのつながりは、全体的な幸福感と健康にポジティブに影響します。

私は地域のボランティア活動に参加することはあまり得意ではなく、旅行やドライブなどをして家族と過ごすのが好きですね。

できる限りストレスを減らす

ストレスが多すぎると、健康な脳と体を維持するためのエネルギーが奪われてしまいます。そのため、不要なストレスを避けることが、心身の健康を長期間にわたり維持するための非常に重要な鍵となります。

長寿の人々、特に「スーパーエイジャー」と呼ばれる人々には、一貫した生活習慣が見られます。彼らはストレスを避け、自分自身がストレスを生み出さないように注意深く行動します。これは、彼らがストレスと上手に付き合いながら長寿を実現している理由の一つと言えます。

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脳を刺激する

認知的な刺激は私たちの学習と成長にとって重要な要素です。現代社会ではネットやAI技術への依存度が高まっています。新しい技術に対応するためには、AI機器を活用し、そのツールを使いこなすスキルを身につけることが重要です。

また、新しい分野や領域への挑戦、例えば語学や資格試験などは、私たちの脳を活性化させます。新しい知識やスキルを学び、それに適応することで、私たちは柔軟性を維持し、新しい事象への理解を深めることができます。

ネットやAIを活用することが好きで、積極的に新たな技術を取り入れるよう心掛けています。また、資格試験にも必要に応じチャレンジしていますね。

自分が楽しいと感じることをする

スーパーエイジャーは、自身の活動から幸せや満足感を得られる人たちでもあります。彼らは毎日を充実感とともに生きており、それが長寿の秘訣とされています。

その活動は、興味や関心から始まります。自分が何に興味を持っているのかを把握し、それに基づいて行動することが重要です。それは趣味や、ボランティア活動、新しいスキルの学習などが含まれます。楽しみながら活動することで、日々が充実し、幸せと満足感を得ることができます。

ガーデニングが好きで、様々な草花を育てています。また、県が運営している生涯大学校の園芸まちづくりコースで専門的なことも学んでいますね。

最後に

シニア世代のあなたがもしスーパーエイジャーを望むなら、まず、健康的な生活習慣の維持が重要です。これには、バランスの良い食生活、定期的な運動、十分な睡眠、そして社会的な活動が含まれます。友人や趣味への時間、地域活動など、自分のライフスタイルに合った活動を見つけることが大切です。

遺伝的要素もある程度影響しますが、それだけではなく、日々の努力が必要です。健康的な生活、新しい学び、人間関係など、自分自身の生活を充実させるための行動が求められます。

これらの行動を継続することが、健康寿命を延伸させ、スーパーエイジャーになる可能性を高めます。スーパーエイジャーは、健康で充実した人生を送る目標です。日々の生活習慣を見直し、積極的に活動することで、スーパーエイジャーを目指しましょう。

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この情報が皆様のスーパーエイジャーを目指す参考になれば幸いです。皆様の健康と活力あふれる生活をこれからも応援しています。

【参考資料

ホーム|厚生労働省
厚生労働省の取り組んでいる政策情報、報道発表資料、統計情報、厚生労働白書について紹介しています。
図表2-1-1 平均寿命と健康寿命の推移
令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-の図表2-1-1 平均寿命と健康寿命の推移を掲載しています。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
国立長寿医療研究センターは高齢者の心と体の自立を促進し、健康長寿社会の構築に貢献します。人の尊厳や権利を重視し、病院と研究所が連携して高い倫理性に基づく良質な医療と研究を行います。

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