資金運用(市場乱高下編)

Uncategorized

トランプ関税の影響により市場は大きな乱高下が続き、投資家心理も不安定な状態が続いています。関税政策の具体的な内容や実施時期が依然として不透明であるため、この市場の不安定な状況は長期化すると予想されています。

中国以外への追加関税の90日の延期により市場は一時的に安定を見せましたが、中国が報復関税の姿勢を崩していないことから、貿易摩擦の長期化が懸念されています。

トランプ関税90日間停止の影響と今後の見通しをわかりやすく解説
トランプ政権が2025年4月9日、相互関税の90日間停止を発表しました。 75カ国以上が報復措置を見送ったことを受け、交渉環境を整えるための猶予期間となっています。 中国には125%の高

日本は米国との交渉で最初の対象国となり、とりわけ自動車分野での関税引き上げが焦点となっていますね。各国の対応が市場に大きな影響を与えることが予想されています。

市場の大幅な変動を受けて、特にシニア世代の投資家は慎重な姿勢を強めており、現金比率を高めに保つ傾向にあります。これは市場の不確実性に対するリスク回避行動の表れと言えます。投資経験の少ないシニア層は、株式市場の変動や経済の先行き不透明感から、安全資産へのシフトを積極的に進める傾向にあります。

人生100年時代の今日、充実したセカンドライフを実現するためには、現役時代に築いた資産を市場環境に応じて適切に運用することが極めて重要です。ただし、この資産運用では、若い世代とは異なるリスク許容度や投資期間を考慮する必要があり、特別な注意が求められます。

本記事では、このような不安定な市場環境下でも、シニア世代が投資を継続できるよう、特に考慮すべき重要なポイントを具体的な事例とともに解説していきます。

考慮すべき重要ポイント

投資の目的を明確にする

まず、何のために投資をするのか、その目的を明確にすることが重要です。退職後の生活資金の補填、医療・介護費用の準備、趣味や旅行の資金、家族への資産承継など、目的に応じて適切な投資戦略は異なってきます。

  • 生活資金の補填: 公的年金に加えて定期的な収入を得たい場合は、安定的なインカムゲイン(利息や配当)を生み出す投資が中心となります。
  • 医療費・介護費の準備: 予期せぬ高額な支出に備えるため、適度な流動性を確保しながら、安定した運用を目指す必要があります。
  • 趣味・旅行資金: ある程度の期間、使用予定のない資金は、適度なリスクを取りながらリターンを追求する選択肢も考えられます。
  • 家族の資産承継: 相続税対策も視野に入れ、長期的な視点で資産を運用する必要があります。

私たち家族は、このブログでお伝えしている通り、健康づくりを心がけながら、主にガーデニングや旅行を楽しんでいますね。

リスク許容度を把握する

年齢とともにリスク許容度は低下する傾向にあります。現役時代と異なり、損失を収入でカバーできる期間が短くなるため、慎重な姿勢が求められます。経済状況、資産規模、収入の安定性、そして何より精神的な安定を考慮し、無理のない範囲でリスクを取ることが大切です。

  • ローリスク: 元本割れを極力避けたい場合は、預貯金、国債、格付けの高い社債などが主な選択肢となります。
  • ミドルリスク: ある程度の収益を期待しつつリスクを抑えたい場合は、バランス型投資信託、REIT(不動産投資信託)、高配当株などが考えられます。
  • ハイリスク: 大きなリターンを期待する一方で、元本割れのリスクも許容できる場合は、株式投資、新興国債券、ヘッジファンドなどの選択肢もありますが、シニア世代では慎重な判断が必要です。

シニア世代の方々は、自身の体力や年齢に応じてリスクを抑えた運用へと移行し、それぞれの投資目的に合った資金活用に心がけましょう。

投資期間の考慮と流動性を確保する

一般的に、投資期間が短いほど、リスク抑制型の運用が望ましいとされています。シニア世代は残された時間を考慮し、長期投資だけでなく、中期的な視点での運用も重要となります。ただし、人生100年時代においては、70代、80代でも10年以上の投資期間を想定できる場合があります。そのため、ご自身の健康状態やライフプランに応じて、適切な投資期間を設定することが大切です。

また、不測の事態(急な病気や介護、予期せぬ出費など)に備え、十分な流動性のある資金を確保することが重要です。全資金を投資に回すのではなく、即座に現金化できる預貯金や換金性の高い金融商品を一定割合で保有することをお勧めします。目安として、数カ月分の生活費相当額を確保しておくと安心です。

ヘルスケアコストやインフレリスクを考慮する

高齢化とともに、医療費や介護費などのヘルスケアコストが増加する可能性が高まります。これらの費用は予測が困難で、高額となる場合もあります。投資計画を立てる際は、将来のヘルスケアコストを十分に考慮し、専用の保険商品との組み合わせなど、複数の角度から準備を検討しましょう。

また、インフレ(物価上昇)は現金の価値を目減りさせるリスクがあります。特に退職後の生活資金については、インフレによる購買力低下を防ぐため、インフレに強い資産を組み入れることが重要です。具体的には、株式、不動産、インフレ連動債などが選択肢となります。

長期・分散・積立投資を徹底する

相場が乱高下する状況下では、短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資に取り組むことが大切です。株式投資などは短期的に価格が変動しますが、長期的には経済成長とともに価値が向上する傾向があります。

焦らず、じっくりと資産を育てる姿勢が重要です。そのためにも、新NISAを活用した積立投資を粘り強く継続したいですね。

リスク低減の基本原則として、分散投資も非常に重要です。資産の種類(株式、債券、不動産など)による分散だけでなく、同じ資産内でも地域や銘柄を分散することでリスクを抑制できます。投資信託やETF(上場投資信託)を活用すれば、比較的容易に分散投資が可能です。

定期的な見直しと調整を行う

経済状況や市場環境は常に変化します。また、自身のライフステージや投資目標も変化する可能性があります。そのため、投資ポートフォリオは定期的に見直し、必要に応じて調整を行うことが重要です。年に一度を目安に、ポートフォリオが目的に合致しているか、リスク許容度を超えていないかを確認しましょう。

投資初心者にとって、定期的なポートフォリオの見直しは難しい場合があります。このような場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをお勧めします。

おわりに

シニア世代の投資は、現役時代とは異なる慎重な姿勢が求められます。投資目的とリスク許容度を明確に把握し、長期的な分散投資を基本としましょう。特に市場が不安定な場合には、定期的な積立と見直しが大切です。

投資コストは運用成績を大きく左右します。インデックスファンドやETFなどの低コスト商品を選択することが賢明です。また、資産承継は早期の準備が不可欠です。遺言書の作成や生前贈与など、相続対策については専門家に相談することをお勧めします。

市場動向や新商品に関する情報収集は欠かせませんが、情報過多による判断の混乱には注意が必要です。特に投資詐欺や悪質な勧誘には細心の注意を払いましょう。「必ず儲かる」といった言葉には警戒が必要です。不審な勧誘を受けた場合は、すぐに家族や専門家に相談してください。

投資の知識や経験が十分でない場合は、ファイナンシャルプランナーやIFAなどの専門家への相談を検討しましょう。適切なアドバイスを受けることで、より確実な投資戦略を構築できます。

注意点

  • 上記は一般的な情報であり、個々の状況によって最適な投資戦略は異なります。
  • 投資には常にリスクが伴います。元本が保証されるものではありません。
  • 投資判断はご自身の責任において行ってください。

参考情報 

資金運用(トランプ関税ショック編)
25年4月4日、トランプ大統領が発表した広範囲な相互関税により、米国株式市場は新型コロナウイルス感染症パンデミック以来最悪の週を迎え、S&P 500、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数が大幅に下落しました 。S&P 500の下落により...
資金運用(トランプ関税編)
新聞各紙によると、カナダとメキシコに対する25%の関税、および中国への追加関税10%を4日から発動すると表明しており、グローバル市場に広範な影響が予想されます。特に日本の金融市場と製造業セクターでは、次のような重要な変化が見込まれます。米国...
資金運用(安全資産リニューアル編)
現在の日本のインフレは、輸入エネルギーと原材料価格の上昇を主因とする典型的なコストプッシュ型インフレです。円安による輸入物価の上昇により、企業は価格転嫁を余儀なくされ、この物価上昇が経済全体に波及しています。日本銀行は経済の安定性を維持する...

タイトルとURLをコピーしました