庭づくり(2024 四季編)

Uncategorized

2024年もいよいよ年の瀬となり、今年も残すところあと1日となりました。私が新たに庭づくりを始めてから1年半以上が経ちましたが、この1年は気候変動の影響を強く感じる年でした。従来の四季の区別が徐々に曖昧になりつつあることを実感し、特に実感したのは春と秋の期間が例年より短くなったことです。

冬は比較的穏やかな暖冬が続き、早春の訪れも早まりました。4月に入ると気温が徐々に上昇し、5月が近づくにつれて夏を思わせる暑さが増してきました。

5月からは本格的な暑さが続き、6月から9月にかけては連日のように真夏日や猛暑日を記録しました。気象庁の観測でも、各地で過去最高気温が更新されました。10月に入っても残暑が続きましたが、その中で徐々に秋らしい爽やかな日も増えてきました。

11月になってようやく本格的な秋の気配が感じられ、下旬頃からは朝晩を中心に冬の寒さが増してきました。今年の記録的な猛暑は紅葉の時期にも影響を与え、例年より2〜3週間ほど遅れて色づき始め、12月中旬頃まで見頃が続いた地域も少なくありませんでした。この気候変動は、庭の植物たちにも大きな影響を及ぼすこととなりました。

今回の記事では、このような特異な気候の中で経験した2024年の庭づくりについて、四季に分けて紹介していきます。特に印象に残った出来事などについて詳しく説明していきます。

ウインター・スプリングシリーズ(1月~4月)

ハイビスカス

この冬は、例年とは異なり真冬であるにもかかわらず、ハイビスカスが咲きました。ハイビスカスは南国を代表する花で、日本では主に沖縄などの温暖な地域で見られます。鮮やかな花色が特徴的で、通常は夏から秋にかけて花壇を華やかに彩る植物です。

庭づくり(ハイビスカス編)
あけましておめでとうございます!今年の夏は予想外の猛暑が続き、ここまでの年末年始も比較的暖かく、過ごしやすい日が続いています。このような温暖化の影響で、我々の身近な庭の草木にも様々な変化が見られました。その中でも、特に驚きだったのは、真冬に...

白紅梅

続いて紹介するのは、早春の訪れを告げる花、白紅梅です。紅梅は例年2月中に開花しますが、今年は1月下旬から咲き始めました。梅の中で最もポピュラーな品種で、5枚の花びらは淡いピンクから濃い赤まで様々な色合いを見せます。続いて白梅が開花し、最後にしだれ梅が咲き誇ります。

庭づくり(紅梅、白梅、しだれ梅編)
日本の春を象徴する植物の一つ、梅。その美しさと独特の香りは、私たちの心を癒やしてくれます。我が庭でも、まず、四季バラと紅梅が早春に咲き、春の訪れを告げてくれます。この記事では、梅の種類とその特徴、梅の育てる際の基本的な知識、そして蝋(ロウ)...

桜・ハナカイドウ

最後に紹介したいのが春を代表する花、桜です。まず最初に咲くのがケイオウ桜です。この桜は、ソメイヨシノよりも早く開花し、梅や桃の花のすぐ後、通常3月上旬から咲き始めます。今年は2月末の週に咲き始めました。とても香り良く、メジロに人気の花となります。わが家では切り花としても活用しています。そして、その後にハナカイドウが咲き誇り、わが庭の春本番を告げます。

庭づくり(ケイオウ桜編)
ケイオウ桜(啓翁桜)は、昭和5年に久留米市の良永啓太郎氏が誕生させた桜です。この桜は、中国系のミザクラを台木にして、彼岸桜の枝変わりとして生まれました。名付け親は久留米市の弥永太郎氏で、良永啓太郎氏の「啓」の一字を取って「啓翁桜」と名付けら...
庭づくり(ハナカイドウ編)
ハナカイドウの季節 - 春を彩る花の物語ハナカイドウは、北海道の南部から九州まで、日本全国の広範囲で栽培されています。春の到来を告げる美しい花木として広く知られており、豊かな春の風景を彩ります。前回紹介したケイオウ桜に続き、ハナカイドウもま...

サマーシリーズ(5月~9月)

薔薇

バラは初夏を代表する花の王様です。5月になると四季バラが庭の主役として華やかに咲き誇ります。今年は四季バラとモッコウバラに加えて、つるバラの数を大幅に増やしました。開花時期は例年より若干早かったものの、今年も例年同様に、様々な色の美しい花を咲かせてくれました。

庭づくり(モッコウバラとつるバラ編)
あなたはこの二つのバラの違いがわかりますか!これまでに、庭に咲き始めるさまざまな花々を紹介してきました。季節が5月に入り、春から初夏へと変わると、バラが咲き始めます。この時期最初に咲くのがモッコウバラで、すぐ後につるバラが続きます。モッコウ...

ベリー類

果物の収穫については、今年は当たり年でした。果物といっても、イチゴに加え、ブルーベリーなどのベリー類と、そして秋の収穫物である柿となります。

イチゴの収穫は4月から5月にかけて始まり、続いて6月以降にベリー類の収穫期を迎えます。今年のベリー類は例年より早く6月初旬から収穫でき、収穫量も豊富でした。どれも大変美味しく味わうことができました。

庭づくり(続ベリー三兄弟)
前回の記事では、我が家の庭で愛情深く育てられたベリー三兄弟のうちの一つ、イチゴ(ストロベリー)について詳しく紹介しました。それぞれ異なる特徴と魅力を持つこのベリー三兄弟の中でも、イチゴはその甘さと鮮やかな色合いで特に人気があります。今回は、...

夏野菜

野菜は主に夏野菜を栽培しています。今年は猛暑の影響で害虫も多く発生し、収穫は厳しい年となりました。特にゴーヤとナスの生育が思わしくなく、収穫量は少なめでした。他の野菜も期待したほどの収穫には至りませんでしたが、昔から栽培しているミョウガと大葉は例年通りの出来栄えで、美味しく楽しむことができました。

庭づくり(夏野菜編)
わが庭は面積こそ広くありませんが、小さながらも充実した野菜エリアを設けています。この限られたスペースを最大限に活用し、様々な野菜を育てる喜びを日々感じています。庭の一角で行う家庭菜園は、単なる趣味以上の意味を持ち、新鮮で好きな食材を自給自足...
庭づくり(続 夏野菜編)
前回は、夏野菜の中でも比較的手間がかからず、豊富な収穫が期待できる野菜について詳しく解説しました。具体的には、シシトウ、インゲン、ミニトマト、ゴーヤという四種類の野菜を取り上げ、それぞれの特徴や栽培のコツ、収穫時期などを紹介させていただきま...

フォール・クリスマスシリーズ(10月~12月)

猛暑に強い朝顔・ハイビスカス

今年の夏は猛暑の影響で、多くの草花が枯れてしまいました。特にユーカリの枯死は大変残念でした。夏の暑さに強いとされるオタフクナンテンやコンフューザーでさえ、元気を失った状態が続きました。しかし、この猛暑にも負けなかった花もありました。朝顔とハイビスカスです。これらは秋になってもずっと咲き続けています。

庭づくり(猛暑に強い草花編)
猛暑に負けない夏の庭の主役たち今年の猛暑は9月に入っても収まる気配がありません。驚くべきことに、通常は暑さに強いとされるユーカリの木さえも、この厳しい環境に耐えきれず枯れてしまいました。長年鉢植えで大切に育ててきたユーカリを今年から地植えに...

サンパチェンス

今年の秋の庭を長く彩ったのは、サンパチェンスでした。この花は、その名が表すように、太陽の光と強い生命力を兼ね備えた素晴らしい園芸植物です。猛暑の日本の夏も見事に乗り越え、鮮やかな花を咲かせ続けました。日照時間の変化にもほとんど影響を受けず、夏から初冬まで途切れることなく咲き誇り、庭に長期的な彩りをもたらしてくれました。

庭づくり(サンパチェンス編)
魅力的な夏の花壇を作りましょう!サンパチェンスは、その名が示すように、太陽の光と忍耐強さを兼ね備えた素晴らしい園芸植物です。猛暑の日本の夏でも見事に乗り越え、鮮やかな花を咲かせ続けます。日照時間の変化にもほとんど影響を受けず、春から秋まで途...

クリスマスシーズンの人気の花々

クリスマスシーズンには、今年初めて新しい色合いに挑戦しました。黄色のポインセチアやブルーシクラメンを選び、さまざまな色を組み合わせた寄せ植えも楽しみました。クリスマスという特別な季節だからこそ、新しい花との出会いに心が躍る一年となりました。

庭づくり(ポインセチア編)
クリスマスの定番!魅力的なポインセチア師走の足音が近づき、日本中がクリスマスムードに包まれる季節となりました。街角には色とりどりのイルミネーションが輝き始め、華やかな雰囲気が漂っています。ポインセチアは、冬の季節を彩る華やかな魅力あふれる植...
庭づくり(ブルーシクラメン編)
クリスマスシーズンを彩る多彩な花々の中でも、シクラメンはひときわ目を引く存在感を放っています。優美な花姿と鮮やかな色彩の調和は、冬の季節を代表する花として、古くから多くの人々の心を魅了し続けています。厳しい寒さの中でも凛として咲き誇る魅力と...

おわりに

2024年は、私たちの予想をはるかに超える猛暑が続いた年となりました。近年の気象データを見ると、猛暑日の発生頻度が着実に増加し、その期間も長期化する傾向にあります。かつての日本の誇りであった四季の移ろいが徐々に薄れ、季節感の希薄化が進んでいます。

この気候変動は庭の植生にも大きな影響を及ぼしており、従来の温帯性植物が育ちにくくなる一方で、亜熱帯性の植物が徐々に適応しやすい環境になりつつあります。

このような気候変動に対応するため、私たちの庭づくりも新たな方向性を模索する必要性に迫られています。今年の経験は、植物の生育パターンが大きく変化していることを如実に示しました。特筆すべきは果物の生育状況で、予想外の展開となりました。

例えば、柿の木は記録的な収穫量を見せ、例年の1.5倍以上の実をつけました。一方で、夏野菜は高温障害の影響を受け、特にトマトやキュウリなどの収穫量が大幅に減少する結果となりました。

来たる2025年は、これまでの経験と教訓を糧として、さらなる挑戦の年になることでしょう。気候変動に適応しながらも、四季の美しさを守り育てる新しい庭づくりの可能性を探っていきたいと考えています。

持続可能な庭づくりを目指し、環境の変化に柔軟に対応しながら、より魅力的で充実した庭園の実現に向けて、一歩一歩着実に取り組んできたいと思っています。

《  参考情報》

四季折々の魅力を引き出す造園術:ガーデニング管理の新常識
四季を感じるナチュラリスティックなガーデニング講座2024年度受講生募集 | ガーデンスタジオ 小手毬
今年で3回目となる東京臨海広域防災公園の宿根草ガーデンでの一年を通したプログラム この公園の市民ガーデナーを養成するただいま受講生募集中です。2024年度は体制が変更となりまして、東京都の認可による緑と水の市民カレッジによる講座として実施い...
庭木で四季を楽しむ! 作庭家が教える一戸建ての庭づくりのポイント | マイホームマガジン
新築一戸建ては間取りや設備などの希望を取り入れやすく、自由度の高さが魅力。さらに自分の「庭」が持てることも大きなメリットではないでしょうか?この記事では、作庭家の矢藤昭憲さんにお聞きした、庭が持つ魅力と庭づくりのポイントについて紹介します。

タイトルとURLをコピーしました