筆者の投資経験は非常に長く、さまざまな局面を経験してきました。しかし、バブル崩壊以降はほとんど資金運用を行っていなかったため、今回は退職後の2013年以降に焦点を当て、どのように運用資金を活用しているかについてお話しします。
これまでは、資産を増やすための資金運用を中心に記事を展開してきましたが、筆者がその増えた金融資産の活用方法の基本方針については「金融資産活用編」で紹介しました。
今回は、さらに詳しく実際の活用方法について紹介します。具体的には、資産運用の過程で得た教訓や、実際に行っている活用方法、さらには日常生活での資産の使い方についても触れていく予定です。こうして増えた資産をどのように活用するかは人それぞれの考え方があり、自分自身で納得していればいいと思います。
私の場合、趣味や旅行、リフォームなどの他に、少しでも社会貢献につながるような活用を実践しています。私の考えに共感できるシニア世代の方に少しでも参考になれば幸いです。
資金運用の過程で得た教訓
投資歴は、20代から始めて40年以上になります。30代中ごろまでは絶好調で、かなりのキャピタルゲインを得ることができました。その後、バブル崩壊でかなりの損失を被りました。
この痛手は30年間続くことになりました。いわゆる失われた30年で、投資への意欲を失い、その間ほとんど株式投資を行っていませんでした。しかし、この経験が現在の投資に繋がっていると考えています。以下はこうした資金運用で得た主な教訓です。
投資目的や目標の明確化
投資を続ける上で、目的や目標を明確にすることはとても重要です。これらは年齢や経済状況、投資環境、さらには個人のライフスタイルや価値観に大きく影響されます。若い投資家とシニア世代の投資家では、達成したい目標が異なることがよくあります。また、経済状況が変わることで、以前は重要だった目標が新しい目標に取って代わることもあります。
しかし、確固たる目的や目標がある場合、それらは長期間にわたって変わらないこともあります。例えば、シニア世代では老後の介護医療資金を確保することや、老後の安定した生活を送るための資金を蓄えることなど、これらの目的は人生の各段階で変わることが少ないかもしれません。
投資家それぞれによって目的や目標は違いますので、自らの信念に基づき、それらを具体的かつ現実的に明確にすべきです。これにより、投資計画がより一貫性を持ち、目標達成に向けた道筋が明確になります。
短期・集中投資から長期・分散投資へ
2013年以降、アベノミクスなどの効果により日本経済が回復し、それに伴い日本企業の業績回復とともに、株式市場も上昇局面にありました。この時点では退職して間もなかったのですが、両親の介護と慣れない学生生活で忙しい中、積極的に株式投資を行った結果、それなりの金融資産を築くことができました。
こうしたチャンスの時は、積極的な投資で資産を大きく伸ばすことが可能です。そのためには、投資環境の分析が大切です。しかし、日本経済のバブル崩壊後の30年を経験した者として、株式市場の低迷が非常に長く続く場合もあることを経験則で知っています。
このため、築いた資産を守りながら増やせる長期・分散投資へと次第にシフトしていくことにしました。これにより、現時点では比較的安定した資金運用ができていると自負しています。
株式市場の変動に一喜一憂しない
株式投資は時として大きな変動に見舞われます。新型コロナやリーマンショックのような状況では、誰もが不安に襲われます。そのような時には、冷静な判断が求められます。特に初心者は不安に駆られ、適切な投資判断が難しくなり、損失を拡大しがちです。市場の動きに一喜一憂せず、自分の投資スタイルを守ることが大切です。
株式市場の変動は避けられません。冷静な判断をするためには、前述のような明確な目的や目標が必要です。これにより、市場の変動や短期的な損失にも惑わされず、冷静な判断を保つことができます。これは、自己の投資スタイルを一貫して維持するために役立ちます。
短期投資や集中投資では損失が拡大しますが、長期投資や分散投資を行うことで、損失を最小限に抑え、将来的に大きなリターンが期待できます。投資を長く続けるためにも、長期・分散投資が最も有効であると考えていますね。
実際に行ってきた活用法
ここでは、私自身が実際行ってきた投資資金の活用法を紹介します。
教育資金への活用
私は、社会起業家を目指し、新たな挑戦として法律や経営学を学ぶため、大学や大学院で学び直すことにしました。学費は6年間でかなりの金額が必要でしたが、そのための預金もしていました。しかし、その預金は使わず、株式投資で得たキャピタルゲインで学費を支払うことができました。この6年間は株価が概ね順調に推移したため、想定以上に金融資産を増やすことができました。
また、在学中にFP技能士や宅建士、MBAなどの資格も取得できましたが、社会保険労務士の資格試験は1回だけ受験し、少し点数が足りず不合格でした。国家試験は費用を抑えるため、すべて独学で行いました。
私の社労士試験の目的は、より幅広い教養を身につけたかっただけなので、再受験はしませんでした。この勉強のおかげで、知ってて得する社会保険に関する知識が増えたと感じています。
現在は、これらの資格を生かしつつ、リスクの高い社会起業家ではなく、社会投資家の道に進むべく頑張っている状況です。
ガレージ・庭づくり・リフォームへの活用
20年以上にわたり介護を続けた両親が亡くなったのは、父が2016年11月、母が2018年10月のことでした。本当に、自分なりに精一杯頑張ったと思います。両親の死後、彼らの家や土地を引き継ぐことになり、今後どのように管理していくべきかを慎重に考えました。
最終的には、将来を見据えて50年以上経過した古い家を壊す決断をしました。家の解体は2022年1月から始まり、その後ガレージの設置、外構を含む庭づくり、そして自宅のリフォームが続きました。リフォームが完成したのは2024年4月のことです。
これらの費用の大半は、幸運にも投資による利益で資金を賄うことができました。家の解体から新しいガレージの設置、庭の再整備、自宅のリフォームに至るまで非常に大変でしたが、その結果として家族のための新しい住環境が整ったことに大変満足しています。
社会貢献への活用(寄付等)
最近では、社会投資家として社会問題の解決に貢献する企業への投資を増やしています。社会投資家は、投資先の社会的影響を重視し、金銭的リターンだけでなく、社会への貢献も求めています。具体的には、環境、教育、医療、貧困、人権などの多様な社会問題に取り組む企業を選んで投資を行っています。今後も、これらの分野で活動する企業を応援し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく予定です。
さらに、2024年の能登半島地震では、被災地の復興を支援するために、これまで以上に財政的支援の寄付を行うことにしました。これに加えて、返礼品の不必要な「ふるさと納税」も行うことにしました。毎年「ふるさと納税」は積極的に活用していましたが、特に今年は例年に増して「ふるさと納税」を行うことで、地域社会への貢献を強化しました。このような支援は、被災地の早期復興に向けて重要な役割を果たすと信じています。
日常生活での活用法
通常の日常生活は、年金と株の配当などで十分賄うことはできています。ここでは、特に趣味への活用法について紹介します。
車の購入費への活用
車が好きで、気にいった新車が発売された時に購入をしてきました。このブログでも紹介しましたが、現在はLEXUS NX350h Fスポーツに乗っています。年齢を踏まえ、後1回だけ新車に乗り換えられたらいいなと思っています。
IT機器の購入費への活用
PCは様々なメーカーを買い替えてきました。現在の主な使用はSurface Laptopで、その他にHPやMacBookなどのノートPCも使っています。また、スマホはiPhoneで、iPadも所有しています。最近は例に漏れず、スマホの使用頻度が高くなっています。買い替え頻度は、数年に1回程度です。
旅行費用への活用
夫婦共に旅行好きで、今後最も支出が増加する見込みです。2023年に新型コロナが5類に移行してから、国内旅行の回数が増加しています。現在は日本を中心に行きたい地域を選んで旅をしていますが、今後は海外旅行も予定しています。
最後に
人生は一度きりなので、できるだけ納得できる人生を送りたいと考えてきました。シニア世代に入ると、年齢とともに体力が衰え、病気にもかかりやすくなります。若いころのように無理がきかなくなり、健康管理がより重要になります。
このブログでは、人生を豊かにするための資金運用、健康生活ガイド、趣味の楽しみ方などを紹介してきました。具体的には、投資や貯蓄の方法、バランスの取れた食事や運動の習慣、旅やガーデニングの楽しみ方など、多岐にわたる内容をお届けしています。
しかし、人はいつ亡くなるか誰にもわかりません。とても元気な方でも急病や交通事故などで突然亡くなるかもしれません。悔いの残らない生き方をするためには、特にシニア世代では、お金の使い方や活かし方、残し方を明確にしておくことが大切です。考え方や価値観も年齢とともに変わることがあるので、その都度見直すことも必要です。
私の場合、旅行などの趣味に使い、社会貢献に活かし、将来に向けた介護・医療などに備えたいと考えています。実際、介護や医療費用に関しては、自分自身や家族の安心を確保するために、必要な資金の準備を怠らないよう心がけています。お金を有効に活用し、悔いのない人生を送りたいものですね。
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