毎年、7月下旬から8月上旬にかけて、納涼イベントとして全国各地で盛大に花火大会が実施されています。これらの花火大会は夏の風物詩として多くの人々に親しまれ、夜空を彩る美しい花火が人々の心を魅了します。
私は、かつて花火大会の関係者として従事した経験があります。その経験から言うと、花火大会の準備は非常に大変で、緻密な計画と多くの労力が必要です。設置や安全確認など、多岐にわたる作業をこなさなければなりません。しかし、実際に花火が打ち上げられる時間は、長くて1時間半程度です。この短い時間に、何ヶ月もの準備の成果が凝縮されているのです。
一方当日、ある程度の雨や強風が吹けば中止となります。また、自治体によっては翌日に順延され、翌日もできない場合には中止になります。しかし、、地域にもよりますが、雨などで中止された例は少なく、中止されたのは2020年に新型コロナが流行していた期間で、2023年5月に5類に移行してからは、花火大会が復活するところが多くなってきています。
今回は、2024年に開催される花火大会の中で、8月以降に開催される都内の「推しの花火大会」を紹介してみたいと思います。
どの花火大会でも交通規制がありますので、近くで観たい場合は車ではなく、電車など公共交通機関を利用しましょう。私の場合は、地元を除き観光も兼ねて会場に行くのに便利なホテルに宿泊し、公共交通機関を利用して出かけるようにしていますね。
いたばし花火大会(東京)
都内の花火大会では、墨田川花火大会が最も有名ですが、私のお気に入りは「いたばし花火大会」です。いたばし花火大会は、毎年多くの人々が訪れる人気のイベントであり、伝統と現代の技術が融合した素晴らしい花火が楽しめます。都内最大の尺五寸玉が使用されており、そのスケールは都内最大級です。この大きな花火が夜空に広がる様子は、観る者すべてを魅了します。
この花火大会は、荒川をはさんで対岸にある埼玉県戸田市の「戸田橋花火大会」と同時開催されるため、両岸から花火を楽しむことができます。東京都内屈指の規模を誇り、両岸で約1万5000発の花火が打ち上げられます。この数多くの花火が一斉に打ち上げられる様子は圧巻で、観客を感動させます。
恒例となっている日本最高峰の花火師が手掛けた「芸術玉」や東京最大級の大玉「尺五寸玉」、フィナーレを飾るワイドスターマイン「天空のナイアガラ」など、見どころが満載です。これらの花火は、それぞれ異なる魅力を持ち、観客席から近い距離で楽しむことができます。打ち上げ場所が観客席に近いことから、その花火特有の大きな音も醍醐味の一つです。この迫力ある音は、花火大会の特別な魅力の一つです。
見どころ
東京最大級の大玉「尺五寸玉」に加え、5カ所同時打ち上げを行うワイドスターマインを質、量ともにグレードアップし、オープニングやフィナーレには迫力ある演出を行います。また、様々な色と形の花火が夜空を彩り、観客を魅了することでしょう。家族連れや友人との観覧に最適なスポットも多数用意されており、皆で一緒に素晴らしい夜を過ごすことができます。
東京最大の大玉「尺五寸玉」とナイヤガラの滝 大会HPから引用
都内の花火大会では、最大打ち上げは4号玉から8号玉がほとんどです。しかし、『いたばし花火大会』では、10号玉をなんと54発(戸田橋を含め72発)も打ち上げるという驚異的なスケールがあります。さらに、この大会では特に注目すべき点として、東京最大の打ち上げ花火である15号玉(尺五寸玉)も登場します。この15号玉は23区では唯一、いたばしでしか体験できない特別なものです。その壮大な迫力は一度体験すると、忘れられない思い出になること間違いなしです。
また、広大な荒川河川敷ならではの特徴として、大規模な「天空のナイヤガラ」をたっぷりと堪能することができます。この見事な光景は、訪れる人々に感動を与えます。さらに、日本最高峰の花火師10人がこの大会のために集まり、渾身の一発を打ち上げるという特別なパフォーマンスも見逃せません。
この大会の河川敷の近くに知り合いが住んでいて、大会の日にお邪魔したことがありますが、大きな花火とナイヤガラがとてもきれいで印象に残っていますね。
開催日時
8月3日(土) 19:00~20:30
開催場所
荒川区荒川河川敷
会場案内
いたばし花火2024
その他行ってみたい花火大会
みなとみらいスマートフェスティバル 2024(神奈川)
「SDGs未来都市・横浜」をテーマに、横浜市・みなとみらい地区で開催される「みなとみらいスマートフェスティバル」です。祭りの最後には、音と光を駆使した花火プログラム「スカイシンフォニー in ヨコハマ」が実施され、港町がより一層輝きを増す一夜となるはずです。約2万発の花火の打ち上げを含むさまざまなイベントの開催により、「国際都市・横浜」のプレゼンス向上を図り、「市民と共に創り、世界から選ばれるアーバンリゾート」の実現を目指しています。
見どころ
花火のほかにも、ヨコハマならではの多彩なエンターテインメントを楽しめます。例えば、観客を魅了する大道芸や、元気溌剌なキッズダンスパフォーマンスがあります。また、地元出身のナイトクラブDJによるエネルギッシュな演奏も楽しめます。これらのイベントは、ヨコハマの独特な雰囲気と活気を存分に味わえる絶好の機会です。
開催日時
8月5日(月) 17:30~20:00
幕張ビーチ花火フェスタ2024(千葉)
千葉市の夏の風物詩として親しまれている幕張海浜公園(幕張ビーチ)で行われる花火大会です。幕張でしか見ることができない迫力満点の海上花火に、尺玉や最新鋭の花火を交え、音楽との共演による国内最大級の花火ショーが繰り広げられる。花火の打上げ総数は国内最大級となる約2万発で、海上花火は約4000発打上げられ、幕張の浜の海面を彩ります。
見どころ
日本の花火を象徴する芸術玉「尺玉」をはじめ、特殊な色変化が起きる最新作の「グラデーション花火」、チーバくんやちはなちゃんなどの創作花火のほか、大切な人へのメッセージに合わせた「LOVEメッセージ花火」が打ち上げられます。また、夜空を埋め尽くす黄金色の錦冠菊と海上花火からなる約1万発の花火が、圧巻のグランドフィナーレを織りなします。
《幕張ビーチ花火公式ポスターから引用》
幕張の花火は、ディズニーなどの宿泊に併せて行くと、より楽しい思い出が増えると思いますよ。
開催日時
8月3日(土) 19:15~20:15
最後に
7月18日のNHK首都圏ナビによると、関東各地の花火大会は、2024年の夏に少なくとも12の花火大会が中止されるそうです。理由は資金難や住民からの苦情などで、実施するところでも打ち上げる花火の数を大幅に減らすなど、対応に苦慮するところもあるそうです。これにより、多くの人々が楽しみにしていた夏の風物詩が影響を受ける可能性があります。
船橋市では、去年、花火のすすや燃えかすで漁港に係留されていたプレジャーボート7隻が汚れるなどの被害があり、所有者に対しておよそ1200万の賠償金が支払われたそうです。
最近の花火大会は運営資金の問題もあり、有料のエリアが増えています。これにより、観覧者はより良い席を確保するために料金を支払う必要があります。運営も自治体から民間へ移ることが首都圏では増えるかもしれません。この変化により、花火大会の運営方法や資金調達の方法が多様化しています。さらに、花火大会に伴う騒音など、環境問題にも配慮が求められています。これにより、地域住民や自然環境に対する影響を最小限に抑えるための新しい対策が必要とされています。
花火大会は、江戸時代からの古き良き伝統で、夏の風物詩でもあります。こうした伝統行事は未来永劫存続することを願っていますが、そのためには新しい時代に合わせた変革も必要かもしれません。地域社会全体で協力し、次世代にこの素晴らしい文化を引き継いでいく努力が求められています。
【 参考情報 】