前回、映画「男はつらいよ」で有名な葛飾柴又を紹介しました。今回は、同じ葛飾区にある水元公園を紹介します。
水元公園は、東京都葛飾区に位置する広大な公園で、約96.3ヘクタールもの面積があります。小合溜(こあいだめ)沿いに造られ、都内で唯一の水郷の景観を持つことで知られています。 約1,500本のメタセコイアが生育しており、秋には美しい紅葉を楽しむことができます。これらのメタセコイアは園内で最大規模の森を形成しています。
公園内では、秋には有名な皇帝ダリアという美しい花が咲き始めます。これは見どころの一つで、訪れる価値があります。さらに、モミジバフウやポプラ並木も風情を醸し出しています。
現在の季節は初夏で、花菖蒲が最盛期を迎えようとしています。今回は、この花菖蒲を中心に、睡蓮やオニバス、そして新たに訪れた新エリアを紹介します。
以前は、花菖蒲を見るため良く訪れていました。久しぶりに訪れましたが、やはり花菖蒲はとても綺麗です。特に、紫と白が好きですね。
水元公園の特徴
豊かな自然が広がる広大な敷地
この素晴らしい公園は約82ヘクタールの広大な敷地に、水元川や江戸川といった河川が流れています。雑木林や広大な草地、色とりどりの花畑など、美しい自然が広がっています。特に多種多様な水生植物が生息しており、これらの植物の存在がこの地を「水生植物の宝庫」と呼ぶにふさわしい場所にしています。
歴史ある施設
公園内には、江戸時代からの面影を残す水元小合溜や水元大橋などの歴史的な施設が点在しています。これらの施設は、時代を超えて現在に至るまで多くの人々に親しまれ、その歴史と風情を感じさせてくれます。
レジャー施設も充実
公園内にはバーベキュー場やドッグラン、サイクリングコースなどのレジャー施設が充実しています。これらの施設は、家族や友人との楽しい時間を過ごすのに最適な場所となっています。公園の素晴らしい自然環境を背景に、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。
初夏の訪れとともに
水元公園は、四季折々の美しい風景を提供します。多種多様な水生植物が夏の訪れを祝うかのように一斉に花を咲かせ、訪問者を温かく歓迎しています。特に初夏のシーズンには、花菖蒲、睡蓮、そしてオニバスの三つの花々が公園を彩り、夏の風物詩として多くの人々を楽しませています。
5月の終わりに公園を訪れると、一角には美しい花菖蒲が広がっています。その息を呑むような美しさは圧巻で、この花菖蒲は水元公園の名物となっています。色とりどりの花びらは訪問者を魅了し、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚を覚えさせます。今回は、その花菖蒲を中心に水元公園の魅力を紹介します。
花菖蒲(ハナショウブ)
花菖蒲は、その美しい色彩と姿が特徴的な植物であり、水元公園では、例年5月下旬から6月下旬の間に、最も美しく咲き誇ります。この期間、園内では約100種類にも及ぶ花菖蒲が、合計で1万4000株という驚異的な数だけが見事に咲き誇ります。
特徴
花菖蒲は、アヤメ科のアヤメ属に属する多年草であり、その花の色は青、青紫、紫、白、ピンクなど、さまざまな色彩を楽しむことができます。水元公園の花菖蒲園では、その雅な姿を楽しむことができます。美しい花々が、一面に広がる景観は圧巻であり、訪れる人々を魅了し続けています。
見どころ
花菖蒲園は、水元大橋を渡った先に位置しています。ここでは、水郷景観とともに可憐な花菖蒲を楽しむことができます。また、周りには東屋やベンチが多く設置されているので、ゆっくりと花観賞を楽しむことができます。その美しい風景と花々の香りを感じながら、心地良い時間を過ごすことができるでしょう。
睡蓮
水元公園には数多くの見どころがありますが、特におすすめなのが「睡蓮池」です。ここは広々とした空間に美しい睡蓮が浮かぶ池が広がっており、訪れる人々を魅了します。池の大きさは水元公園と比べると小さく見えるかもしれませんが、逆にそれが睡蓮の美しさを際立たせています。
睡蓮の見頃は年によりますが、一般的に5月下旬から7月中旬とされています。この期間には、涼しげに水面で咲く睡蓮の花を楽しむことができます。特に早朝から午前中が最も美しい状態を観ることができます。睡蓮池だけでなく、公園内には「小合溜」という池もありますので、そちらも訪れてみてください。どちらの池も睡蓮の美しさを堪能できます。
花を観賞する際には足元に注意し、滑って転んだり、水辺に落ちたりしないよう安全に楽しみましょうね。
オニバス
オニバスの見頃は通常7月上旬から8月上旬で、その美しい花を楽しむのに最適な期間です。観察できる主な場所は、園内の東側に位置するオニバス池です。ただし、天候条件や自然の影響により、見頃が変動することもあります。そのため、毎年オニバスが咲くことは保証できませんが、運が良ければ、美しい睡蓮と一緒にオニバスを楽しむことができるでしょう。
また、水元公園には他にも見どころが多数存在します。例えば、園内東側のこんぱち池では、自生している水生植物アサザを見ることができます。アサザは睡蓮に似た特徴を持ち、6月から8月の午前中に小さな黄色い花を咲かせます。
睡蓮、オニバス、アサザの3つは、午前中が最も美しい時間帯とされています。特に、オニバス池とこんぱち池は隣接しているため、1つの公園で2つの美しい水生植物を楽しむことができます。一度訪れれば、その美しさに魅了されること間違いありません。
新エリア発見
私たち家族は、子どもたちがまだ幼いころによく訪れた場所の一つが水元公園でした。その時は主に公園の有名なエリアに集中して訪れていましたが、今回訪れた際に新たに「水辺のさと(保全区)」というエリアを知りました。今まで知らなかったこの水辺のさとエリアについて、その魅力について紹介したいと思います。
「水辺のさと」の存在とその重要性
この領域は、旧水産試験場の跡地に位置し、水生植物の保存および展示を行っている特別な場所として知られています。この地域の重要性はその生態系にあり、昭和30年代の地元の水辺環境を再現した水辺環境復元池によってさらに強調されています。この池は地元の野生生物にとって重要なハビタット(生息場所)を提供し、特にコサギやカワセミなどの鳥類が頻繁に訪れます。
さらに、この保全区の中には葛飾区金魚展示場もあり、訪問者は金魚の美しさと多様性を体験できます。この展示場は地元の文化的遺産を維持し、訪問者に教育的な機会を提供する重要な役割を果たしています。全体として、「水辺のさと」保全区は地元の生物多様性を保全し、地域社会への教育的なリソースを提供する重要な場所として機能しています。
葛飾区金魚展示場
ここでは、伝統的な江戸茜や江戸錦を始めとする24種類の金魚が、合計約1000匹も飼育されています。これらの金魚は小区画に分けられた展示水槽にて、その美しさを存分に発揮しながら優雅に泳いでいます。その光景は圧巻で、一度見始めると時間を忘れてしまうほど魅力的です。
この施設を管理している人によると、地元の葛飾区民を中心に、5月には金魚の販売を行い、6月には稚魚の無料配布を行っているそうです。これらの活動は、金魚飼育の普及と、その魅力をより多くの人に伝えるためのものです。
なお、この販売で人気の金魚は、金魚の王様「らんちゅう」や、丹頂、黒出目金などです。
カルガモ親子との出会い
ここは自然が豊かで、サギやカワセミといった多種多様な鳥が観察できると評価されています。私たちが最近訪れたときには、小川で泳いでいるカルガモの親子に遭遇する機会がありました。一羽の親鳥のカルガモが見事に約10羽のコカルガモを引率していました。これらのコカルガモたちは、親を追いかけてとても素早く泳いでいました。
このような自然な光景を見ると、都会の騒騒しさを忘れて、とても微笑ましい気持ちになりますね。
水元公園へのアクセス
電車・バス
JR常磐線(東京メトロ千代田線乗入)「金町」・京成金町線「京成金町」から京成バス(戸ヶ崎操車場または西水元三丁目行き)「水元公園」下車 徒歩7分
※ 3月から11月の土日祝日は、午前9時から午後4時40分まで金町駅発着で公園沿いを走る循環バスが運行されています。
車
首都高速6号三郷線水元出入口から約5分 園内駐車場 1時間200円 以後30分毎に100円
電車やバスですと、少し不便ですね。やはり、車まで行くのがおすすめです。公園内に駐車場は3カ所あります。近くには民間駐車場もあります。
まとめ
水元公園は、都市の喧騒から離れて、豊かな自然を体全体で感じることができる場所です。公園内には、さまざまな種類の樹木や花が点在し、四季折々の美しさを鑑賞することができます。特に花菖蒲や蓮の見頃の時期には、その美しさと風情を求めて毎年多くの人々が訪れます。
また、水元公園はただ自然を楽しむだけでなく、様々なレジャーも満喫することができます。ハイキングコースやピクニックエリア、子供向けの遊び場などが整備されており、家族連れや友人同士、カップルなど、様々な人々が思い思いの時間を過ごすことができます。
春の新緑や夏の風物詩、秋の紅葉、冬の静けさ。それぞれの季節が持つ魅力を満喫するには、水元公園が最適です。ぜひ、一度訪れて四季折々の風景を肌で感じてみてください。そして、日常の喧騒から離れて、心地よい時間を過ごすことができることでしょう。
あなたの訪れを、水元公園は静かに待っています。思い出に残る、楽しくて豊かな時間を水元公園でお過ごしください。
【 参考情報 】