健康生活ガイド(腸内年齢編)

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前回、健康長寿の指標である「血管年齢」について取り上げました。今回は、「腸内年齢」に焦点を当ててみたいと思います。健康長寿を達成するためには、日常の生活習慣が重要で、日々の生活習慣の改善など自分自身の努力によって、健康寿命を延ばすことに繋がります。

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腸内年齢とは、腸の健康度を年齢で示す指標です。腸内環境は、善玉菌と悪玉菌のバランスによって影響を受けます。これらの菌は消化機能を助け、お腹を整えるだけでなく、肌荒れの改善や免疫の活性化にも関与します。さらに、腸内環境を整えることは、さまざまな病気の予防にもつながります。

腸内年齢が注目される理由の一つは、脳との密接な関係にあり、その他の臓器にも影響を及ぼすことです。腸内環境を改善することで、健康寿命を延ばすことが様々な研究で明らかになっています。

今回は、腸内年齢について考えてみたのですが、腸内細菌と種類と腸内にいる細菌の多さには驚きましたね。

腸内環境と脳の関係

腸と脳には、密接な関係と意外なつながりがあることが知られています。脳と腸は互いに情報を伝達し合い、双方向で作用しあう関係にあります。この関係は「脳腸相関」と呼ばれており、近年の研究で次のとおり腸内細菌が深く関わっていることがわかってきました。

脳の健康・病気との深い関わり 腸内細菌と「脳腸相関」とは
脳と腸とは互いに情報を伝達し合い、双方向で作用しあう関係にある。「脳腸相関」と呼ばれる脳と腸との関係に、腸内細菌が深く関係していることが、近年の研究でわかってきました。脳の健康や病気との関わりを探る試みが急ピッチで進んでいます。

ストレスと腸内環境

ストレスを感じると、脳から腸へ指令が伝わり、腸の動きが鈍くなります。すると、腸内環境が悪化し、悪玉菌が増殖して、善玉菌が減少します。悪玉菌が増殖すると、有害物質が生成され、腸内環境がさらに悪化します。 緊張やストレスによっておなかが痛むことや便秘・下痢になることは、脳と腸が相互依存関係にあることを示しています。

私の場合は、緊張やストレスが続くとよく下痢になります。子供のころからその傾向にあり、なかなか治りませんね。

腸内環境と感情

腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌量が減少します。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、気分の安定やリラックス効果をもたらします。セロトニンの分泌量が減少すると、不安や気分の落ち込み、イライラなどの症状が現れることがあります。さらに、悪化すると、うつ病を発症するケースもあります。

うつ病は、セロトニンという脳内伝達物質が不足することで生じると考えられています。腸内環境を整えることはとても大切ですね。

腸内環境と睡眠

腸内環境が悪化すると、睡眠の質が低下することがあります。腸内環境が悪化すると、メラトニンの分泌量が減少します。メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれ、睡眠を促す効果があります。メラトニンの分泌量が減少すると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたり、睡眠が浅くなったりすることがあります。

PC、スマホ、TVなどの画面から発せられるブルーライトも、メラトニンの分泌を低下させ、睡眠不足につながる要因となります。腸内環境の悪化だけでなく、ブルーライトにも注意しましょう。

腸内環境が及ぼす影響力

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、腸は脳以外にも様々な臓器と関係しており、腸内環境が悪化すると以下のような影響を及ぼすことになります。

腸と免疫との関係

私たちの腸内には、体全体の免疫細胞の約70%が存在していると言われています。つまり、腸は私たちの免疫系にとって非常に重要な役割を果たしているのです。腸内環境が悪化すると、これらの免疫細胞の働きが低下します。その結果、私たちの体は感染症にかかりやすくなったり、アレルギー反応を引き起こしやすくなったりします。したがって、健康的な腸内環境を保つことは、健康全般を維持するために非常に重要な要素となります。

腸と肥満との関係

腸内環境の悪化は、私たちの食欲を制御する重要なホルモンの分泌に深刻な影響を及ぼします。腸内環境が悪化すると、食欲を抑制するホルモンの分泌が減少し、逆に食欲が高まる傾向があります。その結果、私たちが満足感を感じるために必要な食物の量が増えてしまい、過度な食事の可能性が高まってしまいます。この過食は体重増加を引き起こし、さらに食生活の乱れが腸内環境をさらに悪化させるという悪循環を引き起こす可能性があります。これが、肥満の一因となると考えられています。

腸と糖尿病との関係

腸内環境は私たちの健康に大いに影響を及ぼします。特に、腸内環境が悪化すると、体の血糖値のコントロールが悪くなります。これは、食事から摂取した糖分が体内で適切に分解、利用されず、血液中に大量に溜まってしまうことを意味します。その結果、高血糖状態が続くと糖尿病を発症しやすくなります。したがって、腸内環境を整えることは、糖尿病予防にも繋がります。

一旦糖尿病を発症してしまうと、高血糖状態を減少させるためにも、徹底した食事管理が必要になりますね。

腸と肌との関係

私たちの体では、腸と肌の間に深い関連性が存在します。腸内環境は肌の健康に大きな影響を及ぼすため、腸内環境が悪化すると有害な物質が腸壁を通過し、血液に混じる可能性があります。この現象は「リーキーガット」と呼ばれ、免疫反応を引き起こすことがあります。結果として、体内の炎症が増加し、肌荒れやニキビなどの肌トラブルを引き起こすことがあります。したがって、健康な肌を維持するためには、腸内環境を健康に保つことが非常に重要です。

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腸内環境の改善

人の腸内に広がる100兆もの腸内細菌がいます。最新の研究では、新型コロナの重症化リスクの軽減や、がん治療薬の効果促進など、その可能性は急速な広がりを見せています。腸内細菌は様々な種類がいるため、できるだけ多くの種類の細菌の餌になる食べ物を取る必要があります。

改善方法

  • 食生活では食物繊維、発酵食品、オリゴ糖、ポリフェノールなどを摂取します。これらは乳酸を多く含む食品で、認知症リスクも低減するとされています。具体的には、ヨーグルト、納豆やキムチ等の発酵食品、海藻、野菜・果物、大豆製品、チーズなどが挙げられます。食事だけでなく、おやつにもこれらの食品を取り入れることで、腸内環境が整いやすくなります。
若い腸年齢が健康長寿のもと 食物繊維の摂取がカギ - 日本経済新聞
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  • 運動習慣は健康的なライフスタイルの一部であり、体力を維持し、心臓血管の健康を保つために重要です。また、ストレス解消は心身の健康を維持し、全体の生活の質を向上させるためにも重要です。十分な睡眠は、体と心をリフレッシュし、日々の活動に必要なエネルギーを回復するために不可欠です。これらの健康習慣は腸内環境の改善にも直結し、生活の質全体が向上することが期待できます。
  • サプリメントの活用は効果的な手段となります。具体的には、体内の善玉菌を増やすことができるプロバイオティクスサプリメントや、既存の善玉菌の栄養源となり、その成長を助けるプレバイオティクスサプリメントが推奨されています。これらのサプリメントは、健康的な体内環境を維持し、全体的な健康状態を向上させるのに役立つとされています。
【図解】プロバイオティクスとプレバイオティクスの違いとは?
プロバイオティクスとプレバ&#1245 ...

メリット

腸内環境を改善することで、以下の効果が期待されます。

  • 脳の健康増進:記憶力、学習能力、集中力、気分の安定、ストレス軽減、睡眠の質向上
  • 免疫力向上:風邪や感染症にかかりにくくなる
  • 肥満予防:食欲のコントロール、脂肪燃焼促進
  • 糖尿病予防:血糖値のコントロール
  • 便秘解消:腸の動きを活発にする
  • 肌荒れ改善:腸内環境が改善すると、肌のターンオーバーが正常化し、肌荒れが改善される

まとめ

今回は、前回の「血管年齢」についての詳細な考察に続き、同様に重要な健康指標である「腸内年齢」について深く考えてみました。腸内年齢は、我々の健康状態を測定するための重要なバロメーターとされています。

特にシニア世代の皆様にとって、腸内環境と脳の関係や、そのふたつがどのようにして相互に影響を及ぼすのかを理解することは大変重要です。この理解を基に、皆様が積極的に腸内環境の改善に取り組むことで、さらに健康な生活を送ることができるのではないでしょうか。

ただし、腸内環境は、個人差が大きいため、自分に合った方法を見つけることが重要で、腸内環境を整えるには、継続することが大切です。

このブログ記事が、皆様の健康寿命を延ばすための参考になれば幸いです。そして、皆様が充実した健康長寿を迎えられることを心から願っています。腸内環境の改善は、長寿と健康生活のための重要なステップであり、積極的に取り組んでみてください。

【 参考情報

公益財団法人 腸内細菌学会/腸内細菌学会 The Intestinal Microbiology Society(IMS)/Intestinal Microbiology
公益財団法人 腸内細菌学会ホームページ。腸内細菌学会の開催、BIOSCIENCE and MICROFLORA(英文誌)および腸内細菌学雑誌を発行しています。
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