資金運用(投資モチベーション編)

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日本の金融資産・投資の現状

長期的な資金運用、特に株式投資をしていると、新型コロナウイルスやリーマンショックのような大規模な経済的影響により、株価が全世界的に大きく下落することがあります。特にシニア世代では、資産を可能な限り減らさないという考えが強いのは自然なことです。金融資産を少しずつ増やしてきた人たちが、株価の変動などで一度に資産を減らすと、精神的な負担が大きくなります。

日本人は確実な資金運用を好む傾向にあり、そのスタイルはアメリカとは大きく異なります。日銀が2020年8月に公表したデータによると、日本人の金融資産構成は、米国に比べて安全資産とされる「預貯金」が50%以上と圧倒的に多いのが現状です。一方、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和4年)」によると、2022年の年代別金融資産保有額は、シニア世代の60代で平均1689万円、70代で平均1755万円と他の世代に比べて圧倒的に多い状況です。

現在の日本の人口構成を考えると、シニア世代でも金融資産が多いと思われる「70代の団塊の世代」や「50代の団塊の世代ジュニア」が少額からでも「預貯金から投資」に移行すると、日本経済はさらに活性化すると考えられています。

3つの重要な真実

預貯金から株式投資への投資モチベーションを高めるために「3つの重要な真実」について、この記事で触れたいと思います。

「21世紀の資本」が示す真実

21世紀の資本」は、フランスの経済学者トマ・ピケティが2013年に発表した作品です。200年以上にわたる大量のデータを基に、世界の経済格差の歴史的な推移とその原因・対策を分析しています。

資本主義の特徴は、資本の効率的な配分であり、公平な分配を目指していません。その結果、資本から得られる収益率、すなわち資本収益率は(r)は経済成長率(g)よりも大きくなり、富が資本家に集まることになります。これが現代社会における経済的不平等を増大させる基本的な力となっています。ピケティが示す「r>g」は大量のデータに基づく「歴史的事実」であり、21世紀後半にはその差がさらに広がると予想されています。このため、資本収益率は資本が大きければ大きいほど高くなるため、富が富を生むことはアメリカ社会を見れば明らかな事実と言えます。

つまり、資本効率の高い資産運用を行えば、より大きな金融資産を生むことが可能であるということをこの本が証明しています。私の投資モチベーションの根底にはこの考え方があります。

「10年以上の企業業績」が示す真実

過去10年以上にわたり業績が伸びている企業は、中長期的に見ると株価も上昇傾向にあります。さらに、配当利回りも高くなる傾向にあります。「企業のIR情報」の分析と評価は、シニア世代がより確実な投資を行うために重要です。これは前回のブログでも指摘しました。また、配当の減配や無配がないか確認することも忘れないでください。

資産運用(IR情報編)
今回は、資金運用における企業業績の分析手法を考察します。企業業績の評価には一般的に株価の動向が重要な指標となります。業績が好調な時は株価もそれに伴い上昇します。しかし、リーマンショックやコロナ、戦争などの世界情勢や、各国の金融・経済政策によ...

企業の株を購入する際には、買い時や売り時などの一定のルール作りが必要です。株の売買や企業分析に興味がない方には、安全資産に比べリスクが高いため、個別株の購入はお勧めしません。しかし、配当や株主優待を優先して購入している方は、長期保有を目的としているため、売り時はそれほど気にする必要はありません。株価全体が低迷しているときが購入のチャンスとなります。

資金運用(個別株投資編)
日本株投資は、長期的に見れば安定的なリターンを期待できる方法の一つですが、投資のリスクもあります。日本の株式市場は、リーマンショックやコロナなどで時に大きな変動を見せることがあります。また、企業の状況によっても株価が大きく上下することがある...
資金運用(高配当株・株主優待編)
今までに、シニア世代の資金運用については、株式投資などの様々な手段や方法についてお話してきました。今回は、特にシニア世代にとって魅力的な選択肢のひとつである高配当株と株主優待投資について詳しく説明します。 高配当株とは、企業から配当金として...

一方、インデックス投資は、IR情報や企業分析などを必要とせず、長期投資を前提とすれば大きな利益を生む可能性が高い投資です。インデックス投資や投資信託には様々な種類がありますが、どの種類を選ぶかが重要です。10年以上長期にわたり利益を出し、手数料が安いものを選びましょう。購入方法としては、ネット証券による「積立投資」か「スッポト投資」になり、若い年代ほど積立投資がお勧めです。

日本よりも経済成長率が高く、世界的に実績のある企業が多い米国のインデックスファンドは、長期にわたり利益を出し続けていますね。(r>gを思い出してください。)

「投資環境」が示す真実

2023年、新型コロナウイルスは終息の兆しを見せていますが、ロシアとウクライナの戦争は依然として終息の見通しが立っていません。不確定な状況が続く中、新たに始まったハマスとイスラエルの戦争は中東地域の不安定さをさらに増しています。穀物やガソリンの価格上昇により、世界的なインフレと物価高が続いています。

そうした影響で日本でも物価高が続き、インフレ率は2〜3%程度で推移すると予想されています。一方、日本の預金金利は低いままで、現金の価値は減少し続けています。

来年からは「新NISA」が導入される予定です。政府は国民に貯蓄から投資への転換を呼びかけており、株価上昇により企業価値を高め、日本経済の好循環を目指しています。現状では、日本の優良企業の多くが業績を改善してきており、海外投資家からも日本企業への投資が増えています。そのため、来年以降もこの状況が続くことが期待されています。

資産運用(株式市場の現況)
はじめに 近年、シニア世代の方々が以前に比べ資産運用に積極的に取り組むようになりました。これには、長期的な視点で見たときに、子育てや住宅ローンの支払いが終わることが多いこと、老後の生活資金を確保する必要があること、そして良好な株式環境への変...

最後に

日本銀行調査統計局『資金循環の日米欧比較』(2020年8月)によると、日本では「預貯金」が全体の54.2%を占め、一方で「株式等」は9.6%、「投資信託」は3.4%と、「預貯金」に大きな偏りが見られます。対照的に、米国では「預貯金」が13.7%、「株式等」が32.5%、「投資信託」が12.3%となり、「株式等」の方が「預貯金」を上回っています。

2024年は、「3つの重要な真実」を考慮に入れると、株式やインデックスファンドなどの投資を始めるには適した年だと考えています。「新NISA」を中心とした投資戦略の開始が成功への第1歩となります。その一歩は、ネット証券口座を開設することから始まります。楽天カードなどを活用している方は「楽天証券」、Vポイントやdポイントなどを活用している方は「SBI証券」がおすすめです。

次回は、私の具体的な投資戦略について語りたいと思います。私の投資歴は約40年と長いですが、バブル経済崩壊後の日本経済の低迷が20年以上続き、その間は投資への興味を失い休眠状態が続いていました。

退職を機に投資を再開し、アベノミクス相場と相まって、金融資産を大幅に増やすことができました。こうした経験から、シニア世代でも適切な投資戦略を実践すれば、確実に資産を増やすことが可能だと確信しています。

資金運用(年代別編)
今回は、私の経験も踏まえてシニア世代の年代別の資金運用について考察してみたいと思います。 シニア世代では退職されている方も多いため、資金運用は安全性と確実性が最優先事項となります。しかし、現代では「人生100年時代」と言われ、豊かに暮らすた...

できるだけ多くのシニア世代が、投資環境が整いつつあるこの機会に投資の世界に足を踏み入れ、老後の資金を増やせることを願っています。なお、次の投資サイトは、初心者向けに分かりやすく構成されています。この機会に、株式投資を始めたい方は、是非参考にしてみてくださいね。

やさしい株のはじめ方
株初心者の方にもわかりやすく、株式投資の始め方を紹介しています。株取引をはじめるための「ネット証券比較」や、当サイト限定の「現金プレゼントキャンペーン企画」、「NISA(ニーサ)」なども詳しく解説しています。

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